連載記事2016年6-1 コミュニケーションスキルは、体で覚えよう!

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心の笑顔は真実、伝統的な日本の職人の技を検証しよう 

ノンバーバルコミュニケーション

人と向き合ってお話をするためには、本来最低限のルールとスキルが必要である。人は、動物の中で唯一言語でコミュニケーションを交わすが、動物は言葉が無くてもコミュニケーションをとっている。では、なぜ言葉がないのにコミュニケーションが取れているのか不思議に思うが、人間も言葉が無くても自分の意思を伝えたり、商談においても相手の決断を促したりすることがあるが、その多くの要素にはノンバーバルコミュニケーションが大きく貢献している。

では、バーバルコミュニケーションとは、何かというと、言語的コミュニケーションといい、いわゆる通常の言葉によるコミュニケーションで、ノンバーバルとは非言語、つまり言葉以外のコミュニケーションである。

アメリカの心理学者、アルバート・マレービアン博士が、人が他人から受け取る情報の割合について実験を行った結果が、下記の通りである。

人が他人を判断する時、この人は自分にとって有益な人、若しくはそううでない人などの判断の93%は、その人の顔の表情や声の質によるものだと分かった。話す言葉の内容は、わずか7%にしか過ぎないという実験結果がある。93%の内訳は、顔の表情が55%、声の質(高低)、大きさ、テンポなどが38%だそうだ。

つまり、その人の第一印象や顔の表情などが大きなビジネスのキーポントになったりするのである。

では、どのような表情で人の心がポジティブになるか?実は意外と簡単なことで、口角(こうかく)をキュッと上げるだけである。口角が上がると表情筋が動き、頬の筋肉が前に張り出し、目尻が下がり相手に安心感を与える表情になる。相手は、警戒を解き好意的になるのである。反対に、口角を下げてしまうと、ネガティブな顔になってしまい相手に不快感を与え、会話も弾まなくなり相手に悪印象を与えてしまうのだ。特に、サービス業では、笑顔はビジネスの根幹を担う最も大切な要素で、心の笑顔が真の笑顔として人の心を打つことは多い。

しかし、そうは言っても、ビジネスにおいて顔の表情が全てではなく、このようなことを完全に鵜のみにすることは出来ない。やはり、言葉で相手にものを伝えることが重要である。

トゥールミンモデル

普段の生活において、相手の言っていることを100%理解できているだろうか?また、100%理解させられているだろうか?結論から言うとそれは”NO”である。友達同士のたわいない会話でも、相手の言っていることがどうも理解できない。自分の言ったことは、相手にきちんと伝わっているのだろうか?などストレスや不安は残るものである。

実は、相手に話の内容をきちんと理解出来るように話すためには、本来ロジカルなコミュニケーションスキルが必要なのである。

例えば、「A君は、走るのがとっても早い。」という主張を伝えるときに、いきなり、そう言っても誰もどれくらい速いのか理解出来ない。結果としてその主張は誰も関心を示さないだろう。しかし、「A君は、100mを10秒05で走る。」という事実を付け加えて言うことにより、一部の人には、「それは、驚くほど速い」と理解されるが、「100m―10秒05」という具体的な数字が、記録の数値に無知な人にとっては全く関心は示さない。そこで「100m走の日本記録は、10秒00」という論拠を付け加え、「100m走の日本記録は10秒00(論拠)で、A君は、100mを10秒05で走る(事実)ので、走るのがとっても速い(主張)」と話すと、殆どの人が、A君は走るのがとっても速いという主張に関心を持つであろう。

このように、言葉によるコミュニケーションは意外と難しく、コミュニケーションにもある一定のロジカルなスキルが必要なのである。しかし、ある程度、論拠―事実―主張という一連のロジカルな流れ(トゥールミンモデル)を意識して話をする習慣を身につけると、意外と容易に習得できる。私生活の中ではともかく、仕事上では大きな効果が得られると思う。

 

 

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