顔面激痛の原因判明か
- 2017/5/23
- リハビリ日記
顔面激痛の原因判明か
2012年6月25日 午後9時30分は、忘れることの出来ない瞬間だった。
私がクモ膜下出血に見舞われ、絶命寸前の瞬間を迎えた時だ。
その後、4か月後に自覚したワレンベルグ症候群の顔面の激痛と約4年半悩まされてきた。
クモ膜下出血の手術により、多くの物を失った気がするが、逆に人間としては多くの物を得たような気もする。手術としては、私はど素人なので断言はできないが、多分周囲の情報からすると大成功で、今も執刀医の武田先生には感謝しており、月に1度のペースで今も通院し続けている。
先月は、心臓の手術も2回行い入院したが、港区のがん検診で心臓肥大が見つかり、武田先生に相談したところ、その場で循環器の先生にアポを入れてくれて、その結果、心房細動という不整脈で、放置すると脳梗塞などに繋がる症状が発覚し、手術にいたった。信頼できる武田先生に出会えたことは、私にとっては非常に安心できる状況と言える。
しかし、ワレンベルグ症候群の症状の一つと思われる顔面の激痛は、相当多くの人の悩める症状であり、私も5種類ほどの薬を試したが、何一つ効く薬はなかった。ペインクリニックにも行ったが、全く論外だった。
不安なのは、体力というか体の機能が年々目に見えて衰えていることだ。私は現在、58歳だが加齢によることも否めないが、それだけではないと思う。私は自営業なので仕事も忙しくなかなかリハビリも継続することが難しく、その結果、体力がどんどん落ちて不安だけが残る。
私は、現在身体障碍者手帳をもつ、いわゆる軽度の身体障碍者である。誰に聞いても歩かなければ、どこが身体障碍者か外見では殆どの人が判断できない。しかし、私の後遺症は結構一杯あって、上から、顔面の激痛、嚥下障害、左声帯麻痺、左半身しびれ、右半身温痛覚麻痺、歩行不全などである。
発症より5年近くたった今でも症状は変わらず、むしろ悪化しており、未だに右手で氷を掴んでも「冷たい」という感覚はなく「ぬるい」という感覚しかない。包丁で手を切っても「痛い」という感覚はないし、熱い風呂に入っても右半身はぬるくしか感じないので、熱い風呂に入っても寒い。歩行は、水の上にべニア板を浮かべてその上を歩いている状態だし、最悪は、顔面の激痛だ。
顔面の激痛は、睡眠時を除き24時間毎日続いており、時折襲う痛みには、奇声を上げてしまうほど刺激的な物だ。5年近くもこのような状況で過ごすと、その痛みを憎むこともなく、一生付き合おうとさえ思ってきている。
しかし、このままでは歩行不全が進み歩けなくなってしまうという想定が頭の中を駆け巡った時、非常に不安と恐怖に似たものを感じだ。
私の仕事のほとんどは、デスクワークで、自営業独特の状況で、食事と寝ている時、人と会っている時以外は殆どデスクに向かっている状態だ。なので、運動不足になってしまうのは当然至極のことである。そこに持ってきて、健常者のように体が自由に動かないので運動不足がますます深刻となり、体力も劣って行ってしまう。
こうした不安から、ここ1ヶ月近くでリハビリとして結構ハードなエクササイズをした結果、顔面の激痛がさらに激しくなってしまい仕事が出来る状態ではなくなってしまった。
その時に、判明したのだが、そもそも顔面の激痛は、脳の誤認識であり、実際に傷ついたりダメージを受けて痛いわけではない。
激しいエクササイズを行うことで、筋肉痛が起こり、その筋肉痛の痛みが顔面に集中して痛いのではないかという一つの仮説が生れたのだ。
加齢のせいもあるのか、筋肉痛が収まることはなかなかなく、エクササイズをした分がダイレクトに筋肉痛に繋がっているような気がする。しかし、このままエクササイズを進めることで、運動に対応できる筋肉が育てば、筋肉痛もなくなり、顔面の激痛も収まるような気がする。
実際、エクササイズを始めた当初は、顔面の激痛が酷く、継続による筋肉痛の緩和により激痛も和らぎ、今では随分落ち着いてきた。私は、医師の薦めもあり、なるべくリハビリもかね、チャンスを見ては極力歩くことにしているが、通常のコースは、自宅から往復5㎞のコースをおおよそ1.5時間で歩く。
その時に、大きなスーパーや激安の鮮魚が売っている店をまわり、帰りには大荷物で帰ってくることが多い。そんな時には筋肉痛になり顔面の痛みがひどくなる。
私は、いくら薬を飲んでも治らないし、世の中にも同じような状況の人が大勢いることも知っている。私は医者じゃないし、自分の体験を基に原因追究をするしかなく、この約5年間悩み、耐え、激痛の原因を探ってきたが、やっと自分が納得できる原因に出会ったような気がした。
世の中の多くの同じ悩みをもつ人たちに、少しでも光明が見えれば幸いに思う。