連載記事2016年11月-1 ウエディングにおける美容着付スタッフの重要性

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連載記事2016年11月-1
ウエディングにおける美容着付スタッフの重要性
ウエディング当日における美容着付スタッフがなぜ重要か?

挙式スタイルの変遷
ブライダル業界に席を置いてからそろそろ30年になるが、この業界も随分と変化してきたように思う。挙式形態を考えても、30年前は神前式が主流であったが、15年前にはキリスト教の時代が到来し、今もなお首位の座を占めるが、ここ数年は神前式の復活と人前式の人気が顕著となってきた。このような挙式形態の変遷は、日本独自の傾向であり、他国のように結婚式が宗教儀式としてとらえられているような国ではありえない現実だ。

美容スタッフの職務の変化
現代は、美容着付というよりヘアー・メイクという方が一般的だと思うが、いつからこのような呼称になったのだろうか?
私がウエディングプランナーとして駆け出しの頃は、ご高齢ではあったが、美容着付業界の礎を築いた山野愛子先生がまだ現役でおられた時代であった。
このころの美容師さんは、ヘアー・メイク・着付けをオールマイティにこなしていた方が多かった。しかし、こうした美容着付業界も2000年を過ぎた頃から○○アーティストという言葉に新婦は魅かれ、その需要と共に職務の細分化が行われることで、プロとしての専門分野の職務が確立されていったようだ。スタイリストとかメイクアップアーティストというプロとしての職務にスポットがあたり、山野愛子先生のお孫さんの山野晃さんも大活躍している。
また、会場カテゴリーにもよるが、美容着付のスタッフがアテンダーを行うことも多くなり、私共の協会でもフリーランスウエディングプランナーたちは、披露宴の中で最も重視しているのがヘアー・メイクのスタッフであり、会場で施工を行う時には、ヘアー・メイクだけは自分のコミュニケーションのとれるプロを持ち込むことが多い。

美容着付スタッフの重要性
挙式披露宴で最も重要なポジションを占めるのが美容着付だ。挙式披露宴当日の新婦にとっては最も重要なポジションである。
当日の披露宴が成功するか否かは、新郎新婦、特に新婦の評価次第というところがあるが、その評価の最も大きなパートが美容着付である。
では、なぜそんなにも美容着付が重要で、挙式披露宴の成功を左右するほど重要なポジションなのだろうか?

神前式が主流だった時代から、美容着付けはコンプレイン製造セクションと言っていいほどコンプレインが発生しやすい部門であった。私がウエディングプランナーの駆け出しの頃には、かつらもイージーオーダーで網かつらの時代、 “きつい”とか“痛い”とかの苦情が多く、そこに便乗して、時間のタイトな披露宴にあって、足袋を履くときに扱いがぞんざいだなど普段気も付かないようなことに苦情が集まる。それは、披露宴当日の新婦の感情が不安定なことを意味し、当日の緊張からかナーバスで感情的になりやすい状況にあり、そこで最も関心の高いヘアー・メイクが自分の思い通りにならず納得がいかないとコンプレインに発展してしまうこともある。
私の経験で言うと、お色直しに入った新婦が1時間以上も着付けの部屋から出てこなかった。
事情を聴いてみると、リハーサルとヘアーメイクが違い納得できないとのことであった。実際にリハーサルの時に取った写真を見たが、その時のヘアーメイクは、リハーサルとどこが違うか分からないほど完璧な状態であった。
このような挙式披露宴の状況の中、様々な問題を抱える新婦の不安定な精神状態をいかに調整しながら、最大の関心事のヘアー・メイクの満足度を高め、心身ともに最高の新婦の状態を作り上げなければならないのが美容着付のスタッフの重要かつ大きな使命なのである。

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