今後のフリーランスウエディングプランナーの働き方改革

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この30年間でブライダルは大きく変貌した。

30年前と言えば、1989年、日本がバブル崩壊のきかけとなった年だ。1989年12月と言えば、日本の株価が最も上がった月だ。そしてこの年の12月の日銀短観の発表がバブル崩壊のきっかけとなった。翌年の1月から早速株価が急落し、いよいよバブル崩壊のスタートだ。

バブル崩壊から10年ほどたったころには、バブル崩壊の地獄絵図を見るかの如く、企業も個人もどん底に突き落とされた。バブル崩壊は、物の価値が急落し、特に不動産などはまさに大きな余波を受け、不動産銀行と呼ばれた日本債券信用銀行もついに破たんしたのも丁度このころだ。日本全体が銀行が破綻したこともさることながら、この時期には、毎年10数社の一部上場企業の倒産が続いた。

こうした、企業の地獄絵図もブライダルは、2000年のミレニアム婚と団塊世代ジュニアの結婚適齢期が重なり、2001年には80万組近い婚姻組数を記録した。しかし、この年から一気に結婚式が減少していった。同時に、1億2千万人総中産階級の時代は終焉を迎え、終身雇用や年功序列といった古き良き時代の習慣も消え失せ、その影響は、ブライダル業界を過去と全く違う世界にいざなっていったのだ。

経済の流れに逆行すかのごとく、1997年には、現在のゲストハウス1号店が都心から離れた立川に産声を上げる。その後10年間で、このカテゴリーがブライダル業界の約20%以上のシェアを占めるようになったが、非常に高単価なブライダルが展開されたのだ。新しいカテゴリーが、わずか10年足らずで全体の20%以上のシェアを構築したわけで、その勢いの凄まじかったことは想像の内だろう。このことが、現代の婚礼にどれほどの悪影響を及ぼしたかは、なかなか認識されないことである。これだけの勢いで躍進した陰には、それなりの理由がある。それは、0金利、デフレ経済が続く中で、投資案件としての価値が非常に高い物件となったからである。裏を返せば、伝統や文化のみならず、プランナーまでもがその犠牲となる、いわゆる金儲けの道具と化したのである。

一時期は、ウエディングプランナーは人気が高い職業であったが、現在では敬遠される職業となってしまった。しかし、そんな状況でも、金儲けオンリーの企業と闘いながら、しっかりとウエディングに熱い思いを持ち続けて仕事を続けるウエディングプランナーも少なくない。

私は、この現状を的確に想定していたわけではないが、10年以上前に立ち上げたウエディングプランナーのための協会が、今花咲くときだと思っている。

当協会は、どちらかというとフリーランスウエディングプランナーを中心にサポートを続けてきたつもりだ。2011年の東日本大震災、その影響を受けてか2012年のスマートフォンの急拡大で、一時期はある程度私の思惑通りに推移したが、デフレ経済の長期化とIT関係のパラダイムシフトとでも言うか、市場が大きく変貌し、従来の働き方では一生飯を食っていけない状況も見え隠れしてきた。まさに今こそが、働き方改革の時だと思わざるを得ない。

 

30年前に、いや10年でも誰がこの現状を想定できただろうか?

この状況は、ブライダル業界に限った事ではないが、とにかく働く人たちにとっては、辛酸をなめるような時代である。企業は、よくも悪くもバブル崩壊の経験が今を持って大きな影響力を持っているようだ。日本は、アベノミクスによって今は小さなバブルとなったようにも言われているが、確かに企業バブルと言えるかもしれない。しかし、その陰では、労働者というかサラリーマンは疲弊し、低所得者層がどんどん増えている。これは明らかに企業ファーストの結果で、企業は留保金をたんまり溜め込むことでリスクヘッジを行っているようだが、その下でサラリーマンの生活は、どんどん二極化し、低所得者層の割合が驚くほどのシェアを占めてしまった。このような現状で、このまま進めば、サラリーマンは将来の不安にさいなまれて、幸せな日常生活さえ送れなくなってしまう。だから、今こそが働き方改革をしなければならない時期なのだ。

 

ウエディングプランナーの仕事と報酬で、具体的に検証してみよう。

現在の婚礼会場の正社員の給与を見ると、その低さに驚いてしまう。特に大都市から離れるとその低さは際立っている。一時期は本当に人気だったウエディングプランナーも今は、「きつい」「帰れない」「給料が安い」の新3KやブラックでIT業界と並びブラックの代表格だ。一般的に、ブライダル市場は、新カテゴリーの出現で一気に会場数が増えたものの、同時に急激な婚姻数の減少、それに輪をかけたナシ婚層の増大という状況で受注件数が激減し、それを補うために広告費を使い支出を増大させている。そんな中、利益追求と企業継続に重きを置くがゆえに、働く人の冷遇を誘わざるをえないという現状である。しかし、もともとブライダルは、1件当たりの単価が高い高額商品である。サービス業という見地から見ると確かに利益率は低いが利益額は大きい。そこを考え、ウエディングプランナーの確保をするためには、働く人たちにもう少し利益シェアを行うべきだ。そうは言っても企業は自分の意志で、支出を増やすことは出来ない。そこで、ウエディングプランナーは、企業から離れたほうがいいと判断できるし、フリーランスを選択したほうが生活のヴァリューが高くなるはずだ。ちなみに、アメリカのフリーランス比率は30%以上と言われているが、日本もフリーランスの割合が、20%を超えたようだ。

金額面で考えてみると、企業が正社員を抱えると、法定福利費を含む福利厚生費などの支出を考えれば、最低でも給料の1.5倍は人件費関係の費用として掛かるはずだ。例えば、総支給が20万円の人件費ならば、その他の経費が10万円以上もかかっているということだ。それならば、最低でも30万円は報酬として支払えるはずだ。

現状は、新3kのレッテルをはられ、現状もほぼその状態なので、とにかくスタッフが居つかず1年も持たない状況だ。そうなると、何がおきるかというと、プロの仕事がお客様に提供できないという状況だ。現状は、プロどころかろくに教育もされていないど素人がプロの仮面をつけて接客している。

ならば、支出を多少増やしてでもプロのサービスを提供したほうが、その会場にとってのメリットは格段に大きい。

実際に、素人の技術は低く、仕事の効率や処理能力も低いことから、ひどい場合には、月に3~4件の婚礼プロデュースをするのがやっとというスタッフも少なくない。ならば、いっそそこを熟練者に挿げ替えたほうが賢明だろう。

企業側から見るとまさにこのような状況だが、実力のあるウエディングプランナーからするとたった3~4件しかプロデュースしないのに、そこそこの報酬が手に入るとしたら、それは大きなメリットであろう。これからの社会は、明らかにITの進歩が目覚ましく、ありとあらゆるところでロボット化がすすめられるだろう。その中で、ロボットに挿げ替えられないためには、ロボットには出来ないスキルを身につ行けなければならない。つまり、自分磨きをしなければならないのだ。現状のウエディングプランナーの給料では、生活するのが精いっぱいで、自分磨きをする時間と金銭的な余裕はどこにもない。だからこそ、今、働き方改革をして、時間とお金を確保しなければならないのだ。

まさに、この考え方にふさわしい働き方こそが、IWPA JAPANが提案する「これからのウエディングプランナーの働き方」だ。

 

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