連載記事2016年9-2コンプレインがなぜ起きるか(コンプレイン抑制の方法とは)

コンプレインがなぜ起きるか

(コンプレイン抑制の方法とは)

本来のウエディングプランナー

私が、駆け出しのころは、ウエディングプランナーといえば、若い女性は皆無で、殆どが男性もしくは人生経験の豊富な年配女性であった。若い女性を担当者にしようものなら、新郎新婦の両親から打合せ担当を男性にするようにと苦情を申し立てられた。そして、自分たちの子供(新郎新婦)は、若く非常識で社会というものを何も知らないから、社会人としての常識を教えてあげて欲しいというご両親の要望も少なくなかった。

当時は、現在のように婚礼新規担当などの専任業務はなく、宴会は、「葬儀・告別式以外は何でもプロデュースする」というのがポリシーだったので、宴会担当者は、冠婚葬祭の知識をある程度把握しておかなければ宴会マンとしては務まらなかったし、その頂点である宴会部長は何を聞かれても答えられる知識を有してなければならなかった。

こうしたベースがあって、結婚式のプロデュースが成り立っていたはずだが、現在はこうした状況はどこにもないと言えるし、結婚式の本来の意味を把握し、その知識やスキルを身に着けていればコンプレインなど起きることは殆どないと思う。

現場を知らない人が業務を指揮するからコンプレインが増える

ウエディングコンサルタントや様々な、協会・団体のトップが講演やセミナーを実施し、その一部の人はあきらかに机上論で展開している現状を目にするが、そういう人達はセミナーや講演で、お客様のニーズを探ることが重要だと説き、「新郎新婦に何がしたいのか直接質問してください。」などというプロにあるまじき指導を行う人もいる。話は逆だ。何がしたいか分かっているなら、ウエディングプランナーに相談などしないのであり、その二人に合った結婚式を提案するのがウエディングプランナーの本来の仕事だ。

こうした、プロデュース経験が全くない人たちが理想論だけでプランナーの実態を理解しないまま協会・団体を運営していることも多い。どんなビジネスをするかは、個人の自由であり、他人がとやかく言うことではないと思うが、結果として末端消費者が不利益を被り、先人たちが築いた高いレベルの文化や伝統が、低いレベルでしか伝えていけないのであれば、それでも良いというわけにはいかないだろう。目線はあくまで新郎新婦だろう。

コンプレインが起きる原因

コンプレインが起きる具体的な原因はいたってシンプルである。会場側つまりウエディングプランナーと新郎新婦との間で、約束事の正確な実行や常識に隔たりがあり、意志の疎通がうまくいかずお互いの信頼関係の構築が出来ないからだ。もっと言えば、新郎新婦がウエディングプランナーをプロフェッショナルとして認識していないからだ。

ブライダルに関する法律はないが、適応可能な法律に唯一「消費者契約法」がある。この法律は、事業者が消費者に物を販売する際に、商品知識や価値などの知識レベルがプロである事業者に比べて、素人である消費者が明らかに低いため、それが理由で消費者が損害を被らない為に消費者を保護するための法律である。

しかし、現実はこの知識レベルのギャップを利用した販売手法が取り入れられており、違法行為とも思えるような行動が目につくようになってきた。

ブライダル業界は、会場カテゴリーによってその性格は大きく2種類に分けられる。会場側の責任者は問題発生を極端に嫌い、その意思をスタッフにもろぶつける。スタッフは、顧客の満足そっちのけで、コンプレを出さないことに注力し、その結果顧客満足は満たされない。逆にそうした行動がコンプレインに繋がるのだ。

また、一方では、コンプレインの発生に関しては全く関心がなく、顧客の満足など眼中にもなく、いかに利益を上げられるか、若しくは現状の利益をダウンさせずに維持継続できるかということに注力する。

前者も後者もこうした感覚でブライダルビジネスを行っていては、顧客満足など到底得られるわけはない。「For The Customer」という気持ちがどこにもないのだ。「お客様のために」という気持ちがあれば、その気持ちがお客様に伝わっていれば、例えミスを犯しても、真摯に謝辞すれば、よほど大きな問題でなければお客様は必ず許してくれる。これが、過去おおよそ何百件ものコンプレイン処理を行ってきた私の結論だ。それを、自分のミスや会社の不都合を隠そうとして言い訳などするからコンプレインに発展してしまうのである。「間違えたら謝る」のは人としてごくごく自然のことだと思う。

 

 

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