三途の川

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私は、くも膜下で、多分3度ほど死にかけたような気がする。
私の祖母は、気持ちの中だけで仏様やご先祖様を信仰していた。僧侶の娘でもあり、育った環境のせいか、心霊の世界に非常に精通していると言える。私も小さなころから、何度となく不思議な光景を見てきたが、私自身は、邪念が多いのか、ある種その祖母に守られているのか、心霊現象に関する能力も体験もほとんどない。

小さな頃、遠くに住んでいた祖母が、遊びに来ると、私は祖母に手を引かれ、近くの小高い丘にある神社の前の公園に遊びに行った。
その道の途中で、急に道が狭くなり、民家の横を通るのだが、その民家の横の道は、1.5mほどで片側が崖になっている。その民家の飼い犬が
犬小屋がずれていたのか、物凄い勢いでかみつかんばかりに、唸り声をあげて道にはだかり私と祖母を威嚇していた。
私は、怖くて祖母の後ろに隠れていたが、「ちょっと待ってろ」と言われ、祖母が両手を合わせて何か呪文のような、お経のようなものを唱えると
あれだけの勢いでうなり、吠えていた犬が、くるっと後ろを向き犬小屋に入って行った。「もう大丈夫だ」といわれ歩き始めたのを覚えている。
私は、子供ながらに祖母の魔法のようなものを目の当たりにして、「凄い」と思った。

その祖母の話は、小さい頃からよく聞いていて、キツネが化ける話や化けたキツネの見破り方など、疑心暗鬼に怖くも楽しく聞いていたが、
その祖母には、何度となく「三途の川」を渡らず引き返してきた話を聞いていた。
祖母の話だと、「三途の川」を渡り、天国たる方向へ進むのは、とても気持ちよく楽だそうだが、そこから現世に引き返すのは、身体がとても
苦しいと言っていた。だから、死ぬときに大きな声で呼ぶとそれに気づいて、戻るということは有るらしい。

今回のくも膜下出血で、「三途の川」なるものは見なかったが、多分、集中治療室でその付近をさまよっていたのだと思う。
私には、身に覚えはないが、80体の女性の遺体の地獄絵図は、天国ではなく地獄だったのかも知れない。

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