目覚め

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とにかく、救急車に乗ってから、1ヶ月近くの記憶がほぼない中、
目覚めた瞬間の記憶というか幻覚というか、それだけは今も脳裏にしっかりと残っており
思い出しても、ぞっとする光景である。

多分、その目覚めの光景は、集中治療室にいた、2週間の間のことだと思う。
目が覚めて、まず目に飛び込んでくるのは、血のりのついた女性の生首だ。
大きい目を開けて、じっと私を見つめている。
私は、心霊現象とかそのたぐいのことが、大好きだが、反面物凄く恐怖を感じる。
いまだに、北海道の実家などに帰り、このような話をした後は、トイレに行くのを躊躇するほどだ。

しかし、この光景は、怖いというよりは嫌な感じだった。
夢か現実か、目の前のじっと見つめる生首を手でどけると、
そこには、誰が教えてくれたでもなく、80体の女性の裸体で病室が一杯だ。

足の取れている女性、腕がない女性、五体満足な遺体は少ない。
その光景は、まるで地獄絵図だ。
毎回目が覚めると、その光景が目の前に広がり、耐えられず目を閉じて
眠ることに専念した。

そんな日々が続き、一般病棟に移ったころから、目覚めの光景は一転し、
朝の光をまぶしく感じるさわやかな目覚めを感じるようになった。

その後、看護婦さんに地獄絵図の話を恐る恐るしてみたら、
あっさり、集中治療室では、そういう体験をする人は多いですよといわれた。

私は、集中治療室にいた時、1度は呼吸困難で器官を切開し、
その後、その期間に仕込んであるチューブを抜いて、大出血でベットが血の海になり
2度ほど死にかけている。

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