揺れる道

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「寒くなりましたね!」とよく時候の挨拶をされると、「本当に寒くなりましたよね」と答えているが、私は左半身の温痛覚が完全に麻痺しているので、身体全体でも恐らく20%くらいしか寒さ暑さを感じることが出来ない。

だから、今年一番の寒さと言われた日でも、半袖で外に出ても寒くないのだ。しかし、なぜか、後遺症のワレンベルグ症候群では、色々な後遺症が有り、その一つに鼻水が妙に出るという後遺症があり、寒いとよく左の鼻だけ鼻水が出るが、左顔面が麻痺しているため鼻水が出ても気づかず、恥ずかしい思いをすることも少なくない。

いいおっさんが、鼻水を垂らしたままでいることは、異様な光景である。だから外出の必須アイテムは、何を忘れてもハンカチだけは忘れることが出来ない。

今日も、とても天気が良いので、いつもの約4㎞強のリハビリ散歩に出かけた。天気はいいが、多分結構寒いと見えて、顔面の激痛はひどく、鼻水もたくさん出た。

事務所を出て、5分ほどで旧東海道の宿場町であった、北品川商店街にさしかかる。そのまま京急の北品川駅の裏側を通り、新馬場駅にさしかかりすぎる頃には、青物横丁商店街を通り、右手に京急青物横丁駅を見て左折し、更に5分ほど歩くと品川シーサイドのイーオンに到着する。この間約40分弱歩く。先日は急ぐとどれくらいかかるか挑戦したが、30分弱であったが、これが早歩きの限界かなと思った。

私は、いつもイーオンに行くと、B1の食品階に行くが、品揃えに圧倒される売り場は、私にとってこの上ない魅力的な場所だ。新鮮な肉や魚、野菜等を買うと、時々買いすぎて2㎞の帰り道を持って帰るのが大変な時もある。

そんな時は、事務所の前まで無料バスが循環しているので、バスに乗ればいいと思うが、基本リハビリの為に行くので、絶対にバスには乗らない。最近では、買っても買わなくても、常に両手を空けておきたいので、リュックを背負っていくが、今日は、リュックにも入らない荷物が両手にいっぱいで、更に重かった。

途中で、買ったものを全部捨てようかと思ったくらいだ。

私は、普通に歩いていても、常に歩いている道路が左右に揺れている。自分が揺れているのに、最近は、道路が揺れていると思い込んでいる。背中にリュック、今日はおおよそ10㎏近くのものを背負い、両手にも10㎏近くの荷物を下げていると、身体に20㎏の重りをつけて歩いているのと同じなので、左右に揺れに揺れ、ふらふら状態なのだ。そんな状態で歩くので、健常者が歩くときの2倍の体力は使うので、歩いているだけなのに、絞るほどの汗をかく。

多分、私が歩いている姿を他人が見たら、麻薬中毒患者か酔っぱらいのようだと思う。とにかく、揺れるし、動体視力というものが殆どゼロに等しいので、動いている物や自分が動いていると目に入るものの詳細を認識できない。

詳細を確認しようとすると、静止して凝視しないと認識できないので、屋外でものの詳細を確認することは、極力避けている。知り合いかな?なんて思って確認しようとしようものなら、凝視してしまうので、まさに「変なオジサン」になってしまう。

私の通る道は、常に揺れているのだ。

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