連載原稿68 短絡的な考えはロストビジネスになる

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私の会社は、小規模ながら、人材、教育、システム、ブライダル雑貨販売、エージェント、WEBなど、従業員の規模を超えたボリュームで、ブライダル関係のかなりの範囲を網羅している。

 

というのも、私は、IWPA国際ウエディングプランナー協会を、実を伴う協会として運営していきたいと考えていて、そのためには、会員のビジネスに直結するノウハウを持つ必要があり、結果として、時間は相当かかったが、それぞれの分野で専門的かつ実践的な知識を蓄積することができたのである。

 

一昔前は、「二兎を追うものは一兎も得ず」と言われてきたが、この時代の流れの速さの中では、一つのことに固執していたのでは、全体を見られなくなるし、1本柱だとそれに失敗したら窮地に追い込まれてしまう。

 

私が尊敬する牛久保洋次さんという方がいる。この方は、レコードレンタル会社“友&愛”(全国700店舗)や宅配ビザの“ビザカリフォルニア”(全国400店舗)の創業者である。

 

その牛久保さんが、以前、事業で行き詰った時の私に、「谷藤さん、私の時代は二兎を追うと一兎も得られないことが常識だったが、これからは違う。昔は「か」だったが、これからは「も」の時代だから、出来る能力があるなら幅広くやったほうがいい。」と助言してくださった。つまり、昔はビジネスを行う時は、「あれかこれか」だったが、これからは「あれもこれも」ということである。牛久保さんは、レコードがCDに替わった頃を振り返り、「レコードレンタルが順調で資金力のあるうちからピザカリフォルニアを始めていれば、レコードが駄目になってもあんなに苦労することはなかった」という。

事業展開に迷いを感じていた私は、この牛久保さんの助言に、蘇って行く自分を感じた。

牛久保さんの言うように、今の時代は目まぐるしく変化し、ブライダル業界も、長いレンジで言えばこの15年、短いレンジだと半年単位でトレンドが変化している。

 

弊社は、5年ほど前からECサイトの運営も行っているのだが、最近ウエディングケーキの上に飾るケーキトッパーという5千円ほどの商品がよく売れている。実はこの商品、ごく初期から販売しているのだが、急激にブレイクしていて、その背景はいろいろあるが、購入者に聞くと、そのひとつに、生ケーキの価格が高いことがあるようだ。

 

現在、ウエディングケーキは、フルーツをたくさん飾ると、一人税込みで2,000円以上するものも少なくない。だが、一人に配られるケーキは、せいぜい7~8㎝四方で厚さ2㎝ほどのものだ。これが2,000円以上するということを、そのケーキを目の前にして考えてみてほしい。オリジナルデザインのケーキとなれば更に高額で、であれば、最低価格のケーキに5,000円のケーキトッパーでオリジナリティを出すのが一番、となるのである。

 

以前は、お客様は、会場で適切な価格の商品を買っていたが、今やこのような非常識な価格がどんどんブライダルの常識となっている。婚礼獲得数が減ると当然売上が下がり、それを補填するために婚礼単価を上げようとすることがこうしたところに出ているのであるが、あまりの非常識さに、お客様は外を向き始めてしまったのだ。

これは、明らかに会場の損失である。

 

私は、一律に価格を下げることを主張しているわけではなく、むしろ、結婚式は、非日常的なイベントであり、お客様を納得させられるヴァリューが伴う商品は、高額でも当然だと思う。しかし、貧富の格差は拡大しており、婚礼費用の負担に耐えられない層が増えているのは事実であるし、物には適正価格というものがあるだろう。

短絡的な考えが大きなロストビジネスとならないか、今一度よく考えてみる必要があろう。

 

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