連載記事47 賢い消費者に正面から答える

「佐村河内守」「小保方晴子」「堀江貴文」と言えば半年前の話題の人であるが、この3人の背景には共通点があるように思う。それは今や社会全体のトレンドかも知れない。

もしくは、「常識が非常識」とでもいうか、彼らにおいては、常識と非常識との境界線が、これまでの一般社会とは大きくずれているようだ。しかし、いずれの人も、本人はそんな意識を持ち合わせていないと思われる。お詫びをしている今も、心から詫びているのか疑わしいというのが現実である。

学問書などは、誰が執筆しようと内容が真実であるならば、問題視されることはない。ホリエモンの件で言うならば、例えば口述筆記したのなら、その事実とその役割を担った人の名前を記載しておけば問題ないはずだ。

ゴーストライターという言葉が当たり前のように使われているのだから、世の中では少なからずそういうことは行われているわけで、忙しい人が本を出したら、ああ、ゴーストライターだなと思う、ここまではまだ常識の範囲であろう。しかし、そこに消費者の感情を利用する欺瞞があるとなると、話は別である。

小保方晴子氏にしても、何が真実かは不明の段階だが、論文に多くのコピー&ペーストや不正なデータ流用があったのは事実である。しかし、小保方氏の周囲の環境は、このようなことが習慣的日常的行為であり、罪悪感などかけらもない中で育ってきているのだ。彼女の博士論文から始まった検証により、早稲田大学の質自体が問われる問題になってきているが、STAP細胞が脚光を浴びなければ、明るみにでないまま、不正も常識として続いていたのであろう。

私は、この現状が、これらの人たちだけの問題ではなく、むしろ世の中によくあることで、かつ今や常識的な感覚になっているように思う。

企業さえも、法に触れなければ何をしてもいいというような感覚も蔓延しており、利益や効率追求に走るあまり、「常識」ということの根幹自体が揺らぎ、webの世界の常識が、現実社会の一般的な認識になってきている現実は非常に危険だと思う。

今のWebは虚構世界であり、現実社会の常識で制御することができておらず、まともな常識など存在しない。このWeb感覚が現実社会まではみ出してきて、今の世の中を狂わせているように感じる。

そして、ブライダルもその影響を受けている業界である。

先日も申し上げたが、web上では、机上論だろうが欺瞞だろうが、根拠や実態がなくてもインパクトのあることを言えばそれは「言ったもの勝ち」だ。業界の人間から見るとありえないとわかることでも、素人受けのためなら、プランナーが私は何千件もプロデュースしたなどと言えるし、実現不可能な演出や装飾もやり放題だ。ありえない現実が、虚構のwebで繰り広げられ、それに対して、苦言を呈する人もいない為、webはいわば無法地帯なのである。

自分の主張を相手に正しく伝えるのは難しいし、技術が必要だと思う。対面してお話をするのであれば、お互いが正しく理解するまでコミュニケーションできるが、webからの発信では、伝達は一方向で、受け取る側の領域で全ての判断が完結してしまうので、さらに難しい。

その難しさを悪用するのではなく、心底誠意を持って取り組まなければ何も信じられない世の中になってしまう。web上でものを言うことは非常に難しく、本来高度なコミュニケーションスキルを要するのである。

全ての消費者が騙されるわけではない。こんな危うい時代に対抗して、真実を見る目を養い、自分で本質を見分ける消費者もまた増えていくであろう。その「賢い消費者」に、提供者側が正面から応えていかねば、長く生き残ることはできないことを肝に銘じておくべきだ。

 

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