連載記事16 収支の考え方の抜本的見直し

ブライダル業界がこの先どうなっていくのだろうと、漠然と不安に思っている人は多いと思うが、その不安の根源を良く分析し、対策を講じていかなければ、本当に未来は無くなる。目先のことに振り回され、付け焼刃の対応をしているのでは、気がついた時にはもうどうにもならないということになりかねないのである。

地方性はあるが、多くの地域で、この15年間、ブライダルはビジュアル系情報誌と共に歩んできた。市場を独占した情報誌の集客力は絶大で、どの会場もその集客力に頼り切っており、それに掲載することだけで集客してきたと言っても過言ではない。

しかし、結婚式を実施する新郎新婦の減少と婚礼会場の増加によって、1会場に割り当てられる婚礼件数は、年々減少していることは周知の事実である。

この状態が進行していくと、当然、会場が広告宣伝にかけられる費用も減少し、高額な広告費は捻出できなくなっていく。すると、情報誌頼みの集客しかしてこなかった会場では、出稿できなくなることで婚礼売上は更に下がり明らかに負のスパイラルに陥り、殆どの会場は、なすすべを失い、失速状態に陥っていくであろう。

では、この状態から脱却する方法はあるのだろうか。
ここで、これまでの会場の常識には無い、新しい見地からの打開方法のひとつをご紹介したい。

私が代表を務めるIWPA国際ウェディングプランナー協会は、実質日本で唯一の、実働フリーランスウエディングプランナー(以下、FWP)を組織化している協会であるが、最近、会場からの、FWPと利益協力を図りたいという問い合わせが急増している。

FWPは、これまで認知度が低かったが、2011年頃から徐々に増え始め、ここ2年で新郎新婦からの認知度も一気に高まり、今や全国で、自分自身の集客力を以って活躍し始めている。

FWPは、各々独自の方法で集客を行うが、主には、毎日のように書き綴られるブログやホームページのコンテンツであり、商品としての個人の魅力で獲得している。ITインフラの充実によって、今や個人が全国に訴求できる時代になったのである。また、担当したお客様からの紹介も多く、そのネットワークも無視できない。

FWPは、一人で年間25件程度の担当件数しか持たないのが現状で、一人あたりで見ると大した件数ではないが、FWPが100名集まれば、マックス2500件の婚礼を行うことになるわけで、こう考えるとFWPの抱える市場は大きく、これを会場も有効に利用しない手は無いはずである。

この考えを取り入れるためには、一つは、会場側が、収支の考え方を抜本的に変えなければならない。つまり、ホテルが、婚礼収入において、料理・飲物・室料・サービス料(FBRS)以外の売上を捨て、主体収入であるFBRSの収入だけを婚礼収入と考えることが出来るかということである。

実は、大手ホテルの中にも、この考え方でFWPを受け入れるホテルが増えてきている。
ホテルの宴会部門における一般宴会の収入パターンはまさに主体収入が9割以上を占めているが、これこそ、今後の婚礼収入の有り方であると言えるのではないか。そもそも、カテゴリーとして、婚礼と一般宴会を、現状のように明確に分け続ける必要があるのか?という疑問は大きい。

一般宴会だから出来るが、婚礼では出来ないという考え方は、同じ会場や設備、人材を使って行う中で、ナンセンスとしか言いようがない。単なるカテゴライズの考え方だけであり、大事なことは、ホテルが企業として利益を産み、長く継続することではないだろうか。

今後の厳しいブライダルの市場で生きていくための手法として、決定案件を有するFWPの受入と新たな商品の考え方が必要である。

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