連載原稿39 業務改善のためにも現場を見よ

現代の会社人にとって、ストレスほど怖いものはない。ストレスが引き起こす病気は様々だが、私が発症したくも膜下出血も、ストレスが原因の一端を担っていたことは間違いない。
私共IWPAという協会には、時期を問わず全国からたくさんの協会メンバーが訪れてくれて本当に嬉しく思っているし、たくさんの有用な情報も持ってきてくれる。フリーランスとして活動しているメンバーがほとんどだが、会場プランナーもいる。
食事をしたり、お茶を飲みながらリラックスムードでコミュニケーションすることが多いが、その話の中には憤りを感じるような、理解に苦しむことがたくさんある。

地方に住むある駆け出しのプランナーは、32歳のシングルマザーで、専業主婦時代にプランナーを志してIWPAでブライダルを学び、離婚を経てある会場に就職した。そこは、市場規模の小さい激戦エリアなのだが、彼女の仮予約率は100%、新規来館決定率は、なんと80%近い。
ところが、会社の中では、半ばいじめの状態が続き、そのストレスで長期休養を強いられてしまった。その経緯を聞いて、私は憤りに手が震えるほどであった。
先輩や上司の新規来館決定率が20~30%程度である中、彼女は決定率80%という実績を入社以来数ヶ月も続けているのだが、私が聞いてもどこに問題があるのかわからないようなことに対して「客の要望を聞きすぎる」とか、「何でもできると思われると迷惑だ」など、経営者までがそんなことを言うありさまで、耳を疑ってしまったが、実はこのような事実はたくさんある。

IWPAの教育は、ロジカルでもあるが、一方で「人」の育成に基本を置いている。私のデスクの横に常に貼ってあるのだが、欧米のブライダルコンサルタントの言葉で「新郎新婦は、プランナーがどれだけ真剣に二人のことを思ってくれるかわかるまでは、プランナーにどれほどの経験や知識があるかは問題にしない」というものがある。
つまり、ウェディングプランナーがどんなに有能と言われる人材であっても、新郎新婦のために真剣に考えなければ、新郎新婦はプランニングを依頼しないということである。
IWPAでは、新郎新婦の幸せを心から祝福し心から喜べることこそがウェディングプランナーの真の資格であると考えている。
ブライダルは、誰のために仕事をするかが非常に重要で、その結果がダイレクトにビジネスに反映する。
ところが、この業界では、サービス業でありながら顧客のリクエストを優先せず、上司や経営者の都合や意向が優先されることが多いのが現実である。
このような状況は、有能なプランナーの熱意を喪失させ、業績を落としてしまう結果となることが多い。人は、上に立てば立つほど必要のないプライドが高くなり、謙虚さを失い、お客様のニーズと異なったり、あるいは相反するものを求めるようになり、部下との間に不協和音が起こって業績悪化のスパイラルに巻き込まれていく。

本当に単純なことだと思うが、どこを見て仕事をすべきか、少し考えれば理解できるはずなのに、新郎新婦を見て、そのニーズに答えることをせず、おごり高ぶった上司や経営者のニーズを満たしたところで、業績は上がるはずはない。

しかし、現場で顧客ニーズを実現しようとするプランナーは、上司や経営者に嫌われ、迎合するものだけが生き残る。お客様の望むことを受け入れると、決まり切った会場の型から少し外れているというだけで上司や経営者に怒られるから、新郎新婦のリクエストは断ろうという思考が働く。
このようなことがもしあなたの会場の実態ならば、いち早くその解決しなければ、有能なスタッフは現場を去り、ひいては新郎新婦も去ってしまうことになるであろう。

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