連載記事40 挙式・披露宴の収入構造を見直す時期

ブライダル市場が、いよいよもって寡占化していくであろう傾向は、随所に顕れてきた。ブライダルのカテゴリーは、ホテル・レストランと専門式場・ゲストハウスに大別できるが、特にゲストハウスが台頭してきた地盤には、資本主義経済という現実があり、専門式場・ゲストハウスがホテル・レストランと大きく違うのは、社員の数や人件費、付帯収入の原価、会場の販売価格などであり、その根本は、販売手法や営業力であろう。

世界的に見ても、資本主義の原理で成り立ってきた経済大国は、自国の人件費の高騰により、人件費の安い国に商品の製作を依頼するが、その傾向が世界規模で動くため、人件費の安い国が発展し、人件費はどんどん高くなっていく。世界水準でもバングラディッシュは労働コストが低いと言われているが、そんな国でも労働者による賃上げストライキが起きている現状で、アジアとは言え、どのエリアでも人件費が安いと言えなくなってきた。

事実、海外をも市場にしている大手であっても、中国などかつて利益をあげられた現地法人ですら、撤退を余儀なくされている企業も少なくない。

ブライダルの付帯商品も、海外生産に頼ってコストダウンをしてきた引出物や衣裳などに関しても、会場によっては販売手数料が、販売価格の50%もしくはそれ以上という現実があり、特に金額的にボリュームのある商品は、その価値が問われる時代になってきた。

以前は、人件費が安い中国で大量生産することでコストダウンし利益を確保するという方式であったが、現状では、その中国もバブルを迎え、人件費が高騰し、他のアジアエリア、例えばインドネシアなどに移り、更に、現在はアジアからアフリカへと市場が移りつつある。しかし、アフリカも中国のようになってしまえば、現状のビジネスを支えるしくみが崩れてしまう可能性は大きい。

そうなると、現状のビジネスの収益構造を維持するためには、販売価格を上げなければ成立しなくなるため、業者と言われる会場のパートナー企業の一部では、収益確保のため販売手法を変化させている。

例えば衣裳は、以前は、靴や男性用のシャツ、その他のドレスの小物などは衣裳の価格に含まれるのが一般的だったが、これらが全てオプションで、衣裳価格も見積より当然高く、小物を入れると相当高くなったという例を多く聞くようになった。
販売競争が激化する現状で、こうした衣裳店は、現在はほんの一部に過ぎないが、新規参入するような衣裳店は取り入れるであろう販売手法である。

中国製と揶揄される時代は過ぎ、現状では当たり前になり、中には国産よりも明らかに高額で販売されているものもある。デザイン性で優位にたった商品が、結果高額販売されるのは、顧客にとってヴァリューが高いことを意味し、当然のことであるが、それが単に販売手法ではなく、真のヴァリューであってほしいと願う。

このままだと婚礼の付帯商品原価はどんどん高騰し、ゲストハウスや専門式場は、現在獲得している販売手数料を得ることはできなくなってしまうであろう。付帯原価50%を想定して成立している会場は、厳しい状態に追い込まれる。
ビジネスは、儲けがでて初めて成立するものである。バブル崩壊以降の日本では、会社を継続することが難しく、10年以上存続する企業は、全体の6.3%に過ぎない現実を踏まえても、ブライダルの周辺ビジネスは、さらに厳しさを増し、新郎新婦が見放した時には、一気に斜陽化が進むであろう。
こうした状況が到来するのは、そんなに遠い時期ではないような気がするが、そうした時代に備えて、結婚式・披露宴における収益構造を今一度見直す時期でもあるように思う。

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