連載記事2016年2-2 会場カテゴリーのシェアの変化

会場カテゴリーのシェアの変化

バブル崩壊以降は会場カテゴリーのシェアにも変化が起った。バブル期は、全体の約60%をホテルが締め、残りは互助会を含む専門式場とレストランであった。この時代は、ホテルの敷居が高く、ホテルそのものが非日常であり、ホテルのお仕着せウエディングと言われた時代である。

しかし、バブルが崩壊し、日本の終身雇用や年功序列という体制が崩壊していくと同時に、ビジュアル系の婚礼雑誌が創刊され、ブライダル業界の情報開示が一気に行われ、ホテルも大衆化に向かった。また、バブル後の経済低迷の影響も受け、媒酌人がいなくなるなど、様々な点で変化した。その中で際立ったひとつに、スペシャリストからゼネラリストへの変遷があった。

この過程で、「そつなくなんでも出来る人」が求められ、プロの域まで到達しなくとも問題なく仕事をこなすという能力が重視されたのだ。その結果、現在は、プロと素人の差がないビジネスが横行しているが、それでもビジネスとしては成り立ってしまう時代なのだ。

ブライダル業界は、大きく分けて利益追求特化型と生涯顧客獲得型の2つのビジネススタイルに大別される。どちらのジャンルもビジネスという視点から見た時には、利益追求は当たり前であるが、日本の文化や伝統の伝承をないがしろにして、利益のみに走るブライダル企業が多くなったことは実に嘆かわしいことだ。

ブライダルは、人生最大の重要な節目の行事であり、それをお手伝いする周辺の人達は、最高のサービスもしくはサービス精神をもって、新郎新婦目線での満足を実現するものでなくてはならないはずだ。

しかし、悲しいかな、現状は顧客の満足よりも企業の利益を優先することが多く見受けられ、楽しいはずの結婚式が、人生の汚点になってしまうようなことも見聞きする。私は、ブライダルに関する協会を運営しており、全国から様々な相談が寄せられるが、顧客の一方的な言い分であることを加味しても、相当悲惨な目に合っている人も少なくない。

本質を理解したプロとしての常識

昔と比べ昨今の婚礼は、顧客の苦情の質も変わっている。先日あるニュースを見ていたが、大学4年間で奨学金を貰って通い、卒業する時には400万円近い借金がある学生が少なくないというのだ。そんな学生が就職して結婚しようと思うと、結婚式をするにも、更にブライダルローンを強いられることもあるという現実だ。婚礼という本質からして、ブライダルローンという存在自体、私にとっては信じられない。こうした現状が無婚に繋がり、更に婚礼件数の減少を引き起こし、婚礼特化型会場は、結果として強引な集客を強いられ、どんどん負のスパイラルに巻き込まれるのだ。

この現状は、ブライダルの本質を理解しているプロの常識が業界になくなったことに起因すると私は考えている。現実は、実務の知らない評論家たちが、これからプロを目指そうとする人たちを机上論者の素人集団へ導く。プロの仕事は、本質を熟知し、その仕事を通して顧客を感動させる技や専門知識を持っている。プロは、その技や知識で、その顧客にあった満足という最高の価値を引き出すのだ。プロは、自分の技に自信があり、その金額以上のバリューを顧客に感じさせるから、顧客は喜んでお金を払ってくれるのだ。しかし、購入した商品のバリューがその金額に満たない時には、顧客はコンプレインを引き起こしてしまうだろ。

現状の利益追求型ビジネスでは、自社の社員にプロを必要としていない。しかし、現場の仕事を熟知していない人がオペレーションしても、所詮顧客の満足には至らない机上論の世界に過ぎない。しかし、このwebの社会にあって実務を知らない評論家でもリーダーが出来ると思い込んでいる現実がある。

最近どこへ行っても人手不足の話で終始するが、まさに現状の問題はこの人手不足に起因するのだ。これは日本のパラダムシフトによる構造上の問題であるが、このソリューションの一つに飛躍的な人材のスキルアップがあるが、ここにもプロのノウハウが必須となるはずだ。

いつも感じることだが、プロの技は本当に素晴らしく、感動を誘うものが多いと思う。私は社会人の半分をホテルマンとして過ごしてきたが、プロの技、人の技でこのブライダル業界をもっと価値のあるものに作りあげられると思うし、それが出来れば業界も大きく改善されると思う。

プロと認められた人たちは、もっと自分の技をPRすべきだし、その技が、本物の技だとしたら、間違いなく人を感動させ、本来の隆盛ビジネスの本質だと思うので、プロは業界の救世主となると思う。

 

 

 

 

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