連載記事52 雇用安定化で無婚層が減少する可能性も

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ある大手居酒屋チェーンが、2014年度中に、640店舗の約1割にあたる60店舗を閉鎖すると発表した。閉鎖する店舗で働く約100人の正社員と約670人のアルバイトは、近隣の他店舗に異動させ、1店舗あたりの人員を増やすという。離職率の高さなどの問題から設置した外部の有識者委員会からの意見に応え、店舗での労働環境を改善するためとのことだ。

 

一方、以前も紹介した欧州家具のイケア・ジャパンは、すべてのパートタイム従業員を、雇用期間が決まっていない無期契約にし、職務内容と賃金を見直し、同じような仕事をしている正社員と差がない「均等待遇」を目指すと発表した。同社の従業員は約3400人で、その7割をパートが占め、その半分が6カ月契約の有期雇用だが、新制度では、パート全員が無期雇用になる。また、賃金体系は、全面的に再検討し、正社員を含めた全従業員と面談して、職務内容や求められる能力を確認しながら月給や時給を決める。新制度によって増える人件費は未定だが、正社員とパートで分かれている就業規則を一本化し、地域によって差がある現在のパートの時給を、全国同じ基準で定めるという。

 

ブラック企業は、ブラックの短所に気づき、ホワイト企業は、よりホワイトの長所に価値を見出した事例ともいえるかもしれないが、最近、同様な事例が報道されることが増えており、日本における雇用体制に変化が出てきたように感じる。表面と、奥底に潜む目的との乖離はあるのかも知れないが、少なくとも変化の方向は、改善に向いているような気がする。

 

このような雇用体制は、日本の高度成長期からバブル崩壊前までの終身雇用の時代と似たような状況で、安定期の日本を支えた一つの制度ともいえる状況の再現であり、この制度が日本人の心のよりどころとなり、社会の安定に繋がれば良いと思う。

 

厚生労働省発表の直近のデータによれば、平成26年2月の正社員有効求人倍率は0.67倍で前年同月を0.13ポイント上回り、総務省統計局発表の完全失業率(季節調整値)は3.6%で前月に比べ0.1ポイント低下している。

一方、少子化問題を見てみると、母の出生時平均年齢は上昇傾向のまま推移しており、晩産化が進んでいて、平成6年に第2子出生時の母の平均年齢が29.7歳であったのに対し、平成21年には第1子が29.7歳と、この15年間で約1人分の差が生じているとはいうものの、合計特殊出生率は、最低だった2005年の1.26から、2012年は1.41と、若干であるが回復傾向にある。

 

もし日本に安定的な雇用が復活するようなことがあれば、単純発想で社会は安定し、家計が安定すれば、出生率が上がり、若年人口が増え、世界一の老齢国日本が活性化されていくだろう。

 

ブライダルにとっても、これは歓迎すべきことで、再び終身雇用的体制が日本の社会に増えてくるとしたら、相当大きな好影響を及ぼすことになるかもしれない。現状の、装置産業であるブライダルの惨憺たるありさまの原因の一つは、バブル崩壊による終身雇用の崩壊であったともいえ、雇用の安定によって、無婚層が減少する時代が来ないとも限らない。

 

無婚層の人たちも、結婚を否定しているわけではないだろうし、結婚式を行わない人たちも、殆どは、できることなら行いたいと思っているだろう。

安定収入が確保されれば、早い時期に結婚しようと考えるカップルは間違いなく増え、雇用安定は、人脈財産の継承という披露宴の意味を取り戻し、結婚式は必然性を取り戻し、招待人数も増えるであろう。

 

現状で、国に助けを求めても一向に改善されないが、企業主導で日本の将来的な安定経済を築いていけば、まだまだ日本の復活も希望が持てるし、ひいては先細りと言われるブライダルの復活も現実のものとなるかも知れない。

 

 

 

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