連載記事11 プランナーのあるべき姿

連載も11回目となったが、振り返ってみると、後ろ向きの発言ばかりしてきた印象を持たれているような気がする。しかし、決してそうではない。
自分自身ブライダル業界で生きてきて、今後もこの業界で生きていく覚悟であり、また、多くの人をブライダル業界に誘い込んだ責任もある。私は、何とかブライダルが末永く繁栄するようにと、必死にもがきあがいている最中である。

前号でも申し上げたように、ブライダル業界に不信感を持つカップルが確実に増えている。
それは、単に実際の価値より高く商品を売っているからではなく、その売り方に問題があるからだ。お客様に「納得」してもらって販売するのであれば、どんな高額でも問題ない。むしろ高額な商品を売ることがビジネスとして重要な事であろう。しかし、納得できずに高額な費用を支払わされたという声は良く聞く。

では、なぜ納得していないのだろうか。いくつかの理由があると思う。その一つは、これまでに述べてきたように、プランナーの知識や経験の不足であることは否めない。経験は、しっかりとした知識によって十分にカバーできるものであるが、教育不足や形だけのマニュアル教育しかなされていないと、現代の新郎新婦を納得させることは出来ないのである。しかし、知識があることは、ある意味当然のことで、知識がありさえすればいいというわけではないのである。

例えば、信じている人に裏切られると、裏切られた人はどのような感情を持つだろうか。裏切った人には、二度と心を許さず、不信感はより強いものになるだろう。

ブライダルは、個人宴会であり、常に感情論がつきまとう。新郎新婦は、当然、会場を信用できる企業だと考えて申込みをしているはずだ。
ところが、打合せが進むにつれ、「そんなこと聞いていない」といった類の食い違いが出てくると、疑心暗鬼になってもうプランナーも企業も信用できなくなるのである。

新郎新婦は、婚礼準備を通し、結婚式という重要な通過儀礼の指南役であるプランナーの導きによって社会人としての常識や良識を体験し、そこに何度も「なるほど!」という小さな感動体験を積み重ねて信頼を深めていくのが本来あるべき姿であろう。

欧米のプランナーの教材に、「お客様は、プランナーがどれだけ真剣に自分たちの事を考えてくれるか分かるまで、プランナーにどれほどの経験や知識があるかは気にしない」という言葉がある。

これは、プランナーに知識や経験があることは重要であるが、それよりも、お客様のためになることを最優先で考えてくれるプランナーを求めているということである。つまり、新郎新婦にとって、常に自分たちの側に立ってもの事を考えてくれるかどうかが重要だということなのだ。

ところが残念なことに、新郎新婦から、自分たちの事よりもビジネスの方が優先だと思われてしまうプランナーが多い。勿論、新郎新婦も、ウェディングとてビジネスであることは理解しているが、そうであったとしても、
親身で精神的な満足が得られる応対を望んでいるのである。

昔から、「サービスの現場は舞台でなければならない」と教えられてきた。舞台で仕事をするということは、アクター、アクトレスが演じるのと同様、美しく優雅で、お客様に感動を与えるものでなければならないということである。

ブライダルは、もともと夢を売るビジネスであったはずだ。打合せが進めば進むほど現実を思い知らされ、元々持っていた夢さえもいつしか不安へと変わり、最終的にコンプレインに発展していくようなことを誰も望んではいない。
プランナーの本来の仕事は、打合せが進むほど、当日が近づくほど、新郎新婦の期待も満足も高めていくことのはずなのである。

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