春の散歩

春の散歩

桜も終わり、かなり春めいてきた今日この頃だが、相変わらず私の顔面の激痛は、穏やかになるどころか、激しさを増してきた。特に、朝からパソコンに向かい仕事をして、昼食後の午後、2時、3時ころになると激しく痛みだす。この約6年間、毎日毎日この痛みに耐えながら、「なんでなんだろう?なんでなんだろう?」と日々悩む毎日だった。

しばらく前も、原因が分かったと喜んだのもつかの間、やはりその原因は解明できない。そりゃそうだ、私は医者じゃないんだからそう簡単に判明するわけもない。有名と言われるペインクリニックにも行ったが、全く良くならない。何をやっても分からない。半ばあきらめて、このまま痛さと一生付き合おうと決めてみたものの、そうは言っても仕事に支障をきたしてしまう。実際、目が痛いので、当然視力も落ちてきているのか、今まで間違えたことのないようなミスも出てきた。

おかげ様でというか、仕事も次々と増え、今まで来なかったような大きな仕事も舞い込んでくる。

仕事に費やさなければならない必要な時間がだんだん多く要求されてきた。

私は、もともと超ワーカーホリックなので、6年前のくも膜下出血を患って以来、自宅と仕事場が同じになってからは、とにかく一日中、朝は9時から夜は深夜に至るまで、おおよそ、350日位はそんな状態で仕事をしているので、ずっとパソコンに向かっていることが多く、身体が固まってしまう。

過去の苦い経験から、他人に迷惑を掛けたくない思いで、常に少数精鋭を目指す、今はやりのスカンクワークス状態である。

そんな中で、顔面の激痛の原因を常に探りながら日々過ごしているが、先日あることに気づいた。実は、私は、くも膜下出血の後遺症としてかなりな確率で発症するワレンベルグ症候群を患っており、その一つの症状に右半身温痛覚麻痺がある。首を境に左右逆転するが、身体の丁度右半分が、温度と痛みを感じないのだ。人間の感覚として、右半分温痛覚がマヒすると、おおよそ8割はマヒ状態だ。だから、例えば、筋肉痛でも、外傷でも殆ど痛みを感じない。そして、熱いものはなるべく避けてはいるが、口の中の左側が常にやけど状態だ。

先日、ちょっとした歩行障害もあるため、つまずいた際に、足の甲を強打した。その時足の痛みは全く感じなかったが、顔面におおよそ殴打以上の激痛が走った。以前からこのような体験はしていたが、この時初めて顔面の痛みの原因が分かったような気がした。

先ほど、歩行障害と言ったが、歩行時は、常にまるで水に浮いたべニア板の上を歩いているようだ。右へ左へふらふら状態だ。多分、普通の人が後ろから見たら酔っ払いか、ドラッグ常用者だろう。そのべニア板が激痛の度合いが増すと、板が薄くなっていくような気がする。つまり、歩行障害の度合いと顔面の痛みは比例するということだ。

そして、なぜか体中の痛みが、全て顔面に来ているような気がする。この激痛は一日中、24時間続いているが、かろうじて、睡眠時だけは感じることがないので、痛みの激しさが増すと、横になり寝ようとする。今では、身体も協力してくれて、痛さが酷いとすぐに寝かせてくれる。

そうそう一日中寝てもいられないので、どうしても痛みを紛らわす方法を見出そうとするが、今では、その方法が大好きな甘いものを食べることとなった。そのせいで、体重は増え、運動不足を招き、筋肉に負担がかかり、年も含めてあちこち痛くなりだす。しかし、身体の痛みは殆ど感じることがないが、しかし、その痛みは全て左顔面に集中してしまうのだ。

本来ならば、左顔面が温痛覚を感じず右顔面が痛みを感じるはずなのに、激痛は左顔面に集中する。脳のいたずらなのだろうか。

ほぼ、このフローで顔面の激痛が引き起こされているような気がする。

恐らく、顔面の激痛は、身体が肉体的に健康状態になれば治るような気がしてきた。

今日もいつもの散歩コースだが、おしゃれなレストランTYハーバーの対岸、東京海洋大学の横を通り、その運河沿いにある健康遊具でぶら下がったり、背中を伸ばしたり、屈伸運動をしたり、公共遊具をフルに使ってストレッチした後、その先にあるコンビニで食パンを買う。それをもって今度はTYハーバーの前の橋を渡り対岸で、ゆりかもめにその食パンを与えるのが散歩の定番だ。運河沿いには、桜に代わって、少し早いサツキやハナミズキが満開で春を全身で感じることができた。一方、ゆりかもめは、東京都の都鳥でありながら実は渡り鳥で、もうじき北へ向かって飛び立つ。北から飛来したときには真っ白な普通のカモメだが、北へ飛び立つ時期が近くなると、頭の部分が黒くなってくる。一週間前には黒の斑点であったが、今日は随分黒くなっていた。ゆりかもめは、私の手から直接パンとついばんでいくが、ホバリングしながらちぎる食パンを待っている姿がとてもかわいい。そんなゆりかもめたちに食パンをあげられなくなると少し寂しい。

でも、また冬になったら来ると思うので、逆にその時が待ち遠しいくさえ思う。

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