ブライダルにおける企業の生きるすべとは

会覆う私は、バブル期前からホテルの宴会に携わってきたが、宴会と言っても婚礼、一般宴会、展示会など、宴会部門にもいくつかのジャンルがある。一昔かふた昔前は、宴会マン?(昔的に言うと宴会予約スタッフ)は、ジャンルの垣根がなく、仕事をしていた。

今でいうプランナーは、一般宴会もやれば婚礼も担当するし、一般宴会の中の法事だって担当するし、展示会だって、必要とあらば出張宴会だってなんだってやる。つまり、ホテルの宴会における定義は、「葬儀・告別式以外は、何でも行う」である。

私も、日曜日の大安の日に、婚礼と初七日法要を同時に受注したこともある。初七日法要は遺骨も持ち込むので、勿論、二つの宴会がバッティングすることの無いよう、導線や実施会場の階や時間を違えて、エレベーターやエスカレーターの使用にまで注意を払い、双方のお客様が気分を慨さないように制限しなければならない。お客様には大変失礼になり申し訳なかったが、遺骨の搬入は裏導線を使用して搬入してもらったりもした。

要するに、やれば何でもできるということだ。

バブル期の一般宴会は本当に景気がよく、生保の優績者表彰式&懇親会などは、どんだけ予算があるんだというくらい、費用を掛ける。もう25年くらい前になるが、バブルの間只中の宴会は、物凄く楽しく、クリエイティビティのある人にとっては、興奮するほどで、そのスケールや費用のかけ方は、婚礼の比ではなかった。

当時、私が担当した生保の宴会は、たかが200名程度の宴会であったが、宴会場の装飾費だけの予算が250万円もあり、お客様側の担当者と何度もヒアリングを行い、宴会の趣旨は勿論のこと、出席者の年齢、性別、嗜好、などの情報を詳しく入手し、その状況にあった装飾を考えるのだ。

当時は、電通や博報堂を除いては、企画会社とか、空間コーディネーターとかいう存在はなく、私たち宴会予約スタッフが全て企画した。結局この宴会のテーマは「田舎」に決まり、日々忙しく動き回るサラリーマンの心の癒しや都会の喧騒から異空間の田舎でゆったりとしたひとときを過ごすことが出来る、「いやし」をテーマにしたものだった。

田舎の雰囲気づくりをするために、藁(わら)をトラック1台分調達したり、直径2メートルもある苔むした水車小屋を宴会場の中に搬入しり、水中ポンプも買ってきて水を流し水車も回した。宴会場や導線となるホワイエにも、玉砂利も敷き詰めれば、藁を並べるためのやぐらも組んだ。

ここまですれば、演出としては完璧であり、企画としては、お客様の感動と癒しを十分に獲得できた。時代が良かったことは十分にあるが、当時は企業の勢いがあったので、一般宴会でも婚礼よりも数段収益性の高いものも多かった。

その後、宴会の状況は、社会の変化と共に変貌したため、以前とは比べることが出来ない状況になってしまった今、私は思うに、婚礼とか一般宴会とかいうくくりが、売上のカテゴリーとして、果たして現状で必要なのかどうかという疑問さえ感じてしまう。勿論、分析などの為の分類として、必要なのはよくわかる。

企業は、ビジネスをして、ある程度お金儲けをすることが、目的であり、同時に顧客の満足も勝ち得ないと継続したビジネスにはならないだろう。今のブライダルが、意味もなく婚礼のカテゴリーの規格を決め、その規格に該当しなければ、婚礼とはみなさない。だから、婚礼単価はいくらいくらじゃないと婚礼の売上には勘定しないというのが、現在の考え方だ。しかし、こうした考え方が、婚礼ビジネスの手かせ足かせとなり、売上アップを阻止している現実もある。

ビジネスという大きな視点に立てば、50万円のGOPの婚礼を10件受注するのも、100万円のGOPの婚礼を5件受注するのも、儲けという観点で言えば変わらない。しかし、それが効率を考えた時、婚礼という商品特性から宣伝広告費や販促人件費から考えるとロスになることも多いだろう。

しかし、訴求先が「無婚層」だとすれば、ゼロのビジネスがプラスになると考えることが出来る。20年以上のデフレ経済のなかで、高額なものに興味を示さない世代も出現し、婚礼自体が高額すぎるという時代とのミスマッチが露呈してきた。しかし、高額婚礼を希望する層も確実にあり、また無婚層のようにその原因が経済的である層も少なからずあるという現実を知れば、婚礼も様々なバリエーションが存在することは自然であり、この状況を受け入れ、顧客の本来のウォンツに対応すべきが今後のビジネスのあり方ではないかと思う。

そのためにも、企業は今、第一プライオリティとして、プロフェッショナルの育成に力を注ぐべきだろう。

 

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