連載原稿85 プロとしてストックを重視することの大切さ

連載記事

最近は、冬でも、着ぶくれした人をあまり見かけない。地球温暖化も影響しているのだろうけど、衣類製品開発の進化だともいえるだろう。かさばらないダウンジャケットや、高機能のインナーなど、従来では考えられないほど薄くて暖かい商品が生まれている。

その代表格が言わずと知れた、ユニクロのヒートテックである。

 

ユニクロと言えば、常に攻めの姿勢の店舗展開や人事政策が注目を集める一方で、ブラック企業の代名詞的に言われるなど、何かと話題に上がることの多い企業であるが、国内外で1兆円を超える売上を誇り、アパレルメーカーとしては、国内1位、世界的にも5位である。

 

私も、ユニクロの商品を持っているが、多分世代ギャップだろうと思うが、実は、あまり感心した印象はない。周りにも、「熱烈なユニクロファン」という人はあまりいないようだ。それにもかかわらず、なぜ、ユニクロは売れ続けるのか、熱しやすく冷めやすい日本人にとっては、不思議とも思える事象かも知れない。

 

その理由を考えたときに注目されるのが、一般的にアパレルイコールファッショナブルという感覚があるが、ユニクロは必ずしもファッション性を追求していないというのだ。

 

ファッションは、いつの時代もトレンドであり、トレンドは一過性のものなので、はやりすたりがある。「これはもしかして古いのでは?」と思ってしまうと、手を通さなくなってしまうのだ。

 

しかし、ユニクロの商品は、すでに、ファッションではなく、「日用品」になっている。生活用品であれば、トレンドに左右されない、つまり昨年買ったものを着ていても、時代遅れということにはならない。

そうは言っても2年も経つと色使いなどで古さを感じてしまうことがあるが、そのときは、日用品=消耗品なので、買いかえればいいのである。金額的に、消耗品として買い換えられるくらいの価格設定であることも、大きなポイントであろう。

 

日用品として広く支持されるのも非常に難しいことだが、ユニクロは、アイテムごとに、現場の責任者として、業界トップクラスのプロを外部から雇用しており、その人材のもつ技術力で、次々に製品は改良され続けているそうだ。

 

さらに、大きなポイントとして、ユニクロの立ち位置は、誰がどんな評論をしようが、自分が良いと思ったものが良いという絶対価値観を持つ現代の消費者の特性もうまくつかんでいると思う。

 

このように考えてくると、その雇用方法には様々に議論される点はあるものの、経営哲学には、なるほど、創業から30年で世界規模に成長するだけのことはあると思われる。世界各国で実績を着実に上げているところをみると、このビジネス手法は、正に本質をつくものがあるのだろう。

 

一昔前には、有名人や著名人が良いというものを、何の疑いもなく、それが自分に合うか合わないかなど関係なしに皆が欲した時代もあったし、とにかく流行しているものを競って所有しようとした時代もあった。

しかし、現代の消費者はそうではない。

 

ブライダルにおいても、この傾向は、着実に消費者にそなわっている感覚である。新しければ無条件に良いとされたこの業界も、今は歴史の香りがする古いものに対する興味も強くなっているし、アクセスよりロケーションと言われた時代は完全に過ぎ去り、今は不便さを強いてまで雰囲気を求めはしない。本質的な感覚が、今の日本の消費者に備わってきたのだと思う。

トレンドは時代の影響を受け変化してしまう。

婚礼は、その本質からすると、トレンドを追うようなものではなく、むしろ基本的な部分では、本来変化してはいけないもののはずだ。

なぜなら、婚礼は、そのものが本質であり、確立されるべき文化だからである。

こちらもご覧ください

最近の記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

TOP
CLOSE