ウエディングプランナーの打合せの進め方に物申す

最近のウエディングプランナーの打合せを見ていると、疑問ばかりが募ってしまう。

この人材の少ない時代に、披露宴までどれだけの回数の打合せを行えば気が済むのかと思うほど、どの施設も打合せだらけ。こんな状態で、打合せを行っているから、ウエディングプランナーは仕事にうんざり、お客様は、この忙しい時代に披露宴の日が迫ると、毎週のように打合せ、楽しいはずの披露宴が、苦痛になってしまう新郎新婦も多いのである。しかしこの現実に、気付いていないのは、現場のウエディングプランナーとその上司だけである。「寄り添う」などというわけのわからないトレンドワードを間違えた解釈でとらえたウエディングプランナーやその上司は、打合せの回数や時間を増やせば顧客満足が得られると思っている。回数を重ねることで親密度を上げ、コンプレイン(苦情)を減らそうという狙いも見え隠れする。この考え方は、攻撃と防御という戦略があるとすれば、防御の方である。この激戦の時代に、防御を重視したのでは勝てない。私は、この施策は素人の稚拙さを露呈しきった戦略としか思えない。親密度、信頼性を充実するのは、時間ではない、技術だ。

1件の挙式披露宴に掛ける時間が増えれば増えるほど、会社的見地に立てば生産効率が落ちる。そうすると、当然一人で処理できる件数が、少なくなり結果として報酬を下げざるを得ない。結果として、安価な報酬で過酷な労働を強いられることとなり、いわゆるブラックと言われてしまう。

このような現状はブライダル業界だけではないと思うが、こうなった確固たる理由があることに、誰も着眼しないまま、目の前の業務をこなすだけの日々の連続をただただ過ごしているに過ぎない。

では、その原因とは何か、それは単純なことだ。要するに、その業務やビジネスの現場に精通したプロフェッショナルがいないからに過ぎない。ブライダル業界のほとんどのベンチャー企業は、金儲けのために起業するが、そこには、現場のプロが存在しないために、プロに匹敵すると思われているコンサルタントとかにサポートを依頼する。もともと現場にプロがいない為に、そのコンサルタントとか言う存在に運営を委ねる。ところが、このコンサルタントと言われる人たちの経歴を見ると、現場経験がなかったり、外資系ホテルを渡り歩き、履歴書だけみると凄い人に見えるが、ほとんど1年~2年でホテルを変えているような人たちは、表向きはともかく、能力不足で現場を追われた人も少なくない。

特に、ブライダルの世界は、技術的にそれほど難易度は高くないので、言ってみれば技術がなくても、ガッツと志、少しの知識があれば、誰にでも出来るように見える仕事だ。

私は、そもそもホテル業界から足を洗ったには、いくつかの確固たる理由がある。多分、その最大の理由は、ホテルが、スペシャリストからゼネラリストへの移行を企業としてスタートしたからだ。私は、もうすぐ還暦を迎える老いぼれだが、サービス業、もっと言うとホテル業への想いは、今でも誰にも負けないものを持っていると自負している。スペシャリストからゼネラリストへの移行の意味は、職人からサラリーマンへの移行を意味する。ホテルに限らず、特に高額商品を扱う分野において大切なことは、非日常的感動にあると思う。同じ商品クォリティであったとしても、他より高額で販売するためには、感動という付加価値が必要だと思う。職人の技と言われるものは、おおよそ大半の人が感動やサプライズを体感する。それがあってこそのプロの仕事であり、高額で売れる所以である。時間から時間で仕事をせざるを得ないサラ―リーマンでは恐らく実現できない。バブル期は、仕事形態や仕事量からすると、今より何倍もブラックだったと思う。しかし、そこに不満を持つ人は殆どいなかった。それは、働けば働くだけ報酬も増えたからだ。

いつの頃だろう、日本のバブルが崩壊して10年が過ぎた頃からだろうか。一般の企業でも、退職金を事前にプールするよう国の指導があったころ、企業は、前倒し引当金として退職金の貯蓄が厳しくなり、契約次第で残業代も退職金も必要のない、年俸制の導入が浸透してきた。このことにより、ブラックという言葉が世に出回るきっかけを作ったように思う。

とにもかくにも、人材の危機感は終わりがない。なぜなら、よほどの天変地異的事象がなければ、日本の人口は着実に減少するからだ。

私的には、ウエディングプランナーとして仕事が出来ている会場プランナーは少ない。プランナーではなく、コーディネーターだ。つまり、ウエディングアイテムごとの打合せは、その殆どがその会場の商品納入業者が行っており、プランナーと言われる人は、その打合せのスケジュール管理を行っているからである。さらに、そのような状況も手伝ってそのプランナーの知識や技術は、著しく低い。こんな状態だから、新郎新婦はストレスがたまるし、満足度も低い。結果、コンプレインが発生しやすくなり、一度コンプレインが発生すると収拾がつかない。だったら、このようなプランナーをペッパー君に代えた方が関わる全ての人がハッピーになれるような気がするほどだ。

しかし、ブライダルを愛する私としてはそうはなって欲しくないので、何とか教育を見直し、プロのウエディングプランナーの育成を何とかしなきゃともがいているところだ。

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