ウエディングプランナー資格検定のweb試験への移行

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内閣府認可一般財団法人職業技能振興会と共催のウエディングプランナー資格試験も早いもので、導入から2年目に突入し、大きな変革の時期を迎えた。実はこの資格試験、2018年1月からは全国220か所以上で受験可能なweb試験に移行した。なぜweb試験に移行したかというと、明らかに受験者のリクエストによるところが大きい。

今年までは、2年目ということもあり、東京・大阪・福岡での同時開催をしたが、試験場所、曜日や時期などの制約を受けて、受験したくても受験できないという声を多くいただいたからだ。その声を踏まえて一般財団法人職業技能振興会によりweb試験の移行が実現した。

当検定試験は、一般財団法人職業技能振興会が主宰するが、基本的にIWPA国際ウエディングプランナー協会との共催で実施されており、あくまで、実務現場で必要な知識に焦点をあて、構成されている。

資格には2級と1級の2種類がある。

2級は、基本的な知識が多く、どちらかというと座学的な要素が大きい。1級は、あくまで現場の実務レベルの知識を必要としており、実務経験がないとなかなか合格するのは難しい。現役のウエディングプランナーの方でも過去の実績では、30%近くの人たちが不合格となっている。特に1級は、ウエディングプランナーのプロとして活躍頂きたいという思いもあり、現場の目線でテキストも試験も構成されている。おそらく日本で一番現状の実践に即した教材だと思う。実際にテキストを執筆している者も試験問題を作成している者もブライダル業界の長い経歴を持ち、過去1,000件以上のウエディングのプロデュースを行い、年間750件の婚礼施行実績のある複数のホテル総責任者のマネジメント実績を有し、今もなお現場のウエディングに携わっている。ウエディングはの現場は、トレンド変化が非常に速いため、常に現場に接していなければその詳しい実態をつかむことは難しい。

ブライダル業界では、今でこそノウハウ的な知識を得られるスクールや講座もあるが、ブライダルは、基本的に国家資格を必要としないジャンルでもあり、直接現場の実践で知識やノウハウを蓄積していくというのが従来のスタイルであった。なので、ウエディングプランナーの資格も任意団体が勝手に資格を作って認定し、そのプランナーを有資格者としているが、それはあくまでビジネス目的であり、実務と乖離していることが多く存在する。5~6年前までは、テキストすらも情報が20年も30年も前の情報であったり、資格研修では、ある程度時間は掛けていたりするが、ブライダル業界の著名人で、プランナー業務を経験していない人の話を聞いても、実務は全く理解できないし、いわゆる実務を知らない机上論者が排出されるだけで、そうした現状は、実際にお金を出して依頼する新郎新婦のためには全くならない。業界の著名人と言われる人の話を聞けば何となく自分も勉強した気分にはなるが、このような考え方は、バブル期当時のある程度教育をしっかりとしていたホテル主導時代のブライダル業界の話であって、今となっては化石とも言うべき考え方である。現状のブライダルは、当時とは全く異なっているのだ。

本来資格は、プランナーのためにあるのではなく、高額商品を買っていただく新郎新婦の安心を確保するためのものであるという認識を持たなければならない。

しかし、最近のブライダルの現場では、プロとしてのウエディングプランナーの条件を満たさない状態で、そういう人達が当たり前のように仕事をしていることが多く、本人もそこに気づかないまま仕事の多忙さに任せて多くの時間を過ごしている。フリーランスウエディングプランナーは、実情個人事業主であり、もっと言うならば経営者である。さらに、今まで組織で仕事をしていた人は理解できるだろうが、集客から、新規対応、かつ営業力をもってして決定に結び付け、挙式披露宴の細部にわたるすべての打合せや様々な手配、発注業務を行い、当日の披露宴の進行を決め、場合によってはそのディレクションも行い、最終的に費用の請求をして、回収や支払いまですべて行うための知識とノウハウが必要なのだ。

このようにフリーランスの仕事は、一人でウエディングのみならず、経営者としてのあらゆる知識を得ることが必要なのだ。言うまでもないが、最も難しいのは集客であり、これがきちんとできる方法を確保しなければ、フリーランスは成立しない。合格後の状況によっては、IWPA国際ウエディングプランナー協会が集客のノウハウまでサポートする。

今や日本全体でウエディングプランナーに限らず、フリーランスの割合が20%に達し、ウエディングプランナーも微増ではあるがフリーランス希望が徐々に増えている状態である。

現在のブライダルの現場は、業務の細分化が進み、新規接客はできるが、打合せ業務ができない。またはその逆。例えば、打合せ業務ができると思っているウエディングプランナーでも、実際の現場の業務では、打合せはほんの一部で、ほとんどが取引業者と新郎新婦の打合せ日時の調整が多く、いわゆるコーディネート業務である。例えば装花や進行の詳細など全体の細部にわたる打合せができる知識量やノウハウは身についていないというのがケースとして多い。

昔のことを言っても始まらないが、それが本来のプロのウエディングプランナーの本質であり、フリーランスの道を選択する人にとって必要不可欠なことなので、あえてこの場を借りて申し上げたい。

私たちのころは、時代もトレンドも業務手法もすべてが現在と異なっていたと言ってもよい。少なくとも私の勤務した、もしくは私のホテル業界の多くの先輩、同僚、後輩の誰にとっても同様の状態だったと思うが、そもそも婚礼部なるものはなく宴会部であり、宴会の定義は「葬儀・告別式以外はすべてプロデュースする」ということであった。バブル期の一般宴会では、企業の持っている宴会予算も莫大で、景気のよい企業の優績者表彰パーティなどでは、参加者200名ほどのパーティでも、会場装飾予算が200万円とか300万円というのは珍しくなく、その企画提案、施工をすべてプランナー自身で行っていた。現在、装飾費に何百万円もかけるウエディングのプロデュース会社もあるが、その施行をみてあまりにも陳腐なもので驚いたが、従来の一般宴会の知識やノウハウがウエディングの企画提案に大きく役立っていたのは確かである。私は、現在行われているこれらのウエディングの会場装飾の作品とその販売価格をみて、無知であることの怖さと強さの両面を強く感じた。買い手が無知なのは当然だが、売り手が無知蒙昧、曖昧模糊だと我々プロから見ると憤りを感じるが、買い手にその認識がないため、売り手にとって好都合にもその怖さを明かされていないだけなのだ。

つまり、あらゆる状況に基本一人で対処しなければならないので、少なくともウエディングでフリーランスを目指すには、ある程度のレベルの冠婚葬祭の知識が必要であるということだ。

私の友人が務めていたホテルは、大型ホテルだったが、月に担当する婚礼件数は一人20件程度であったし、実際私もバブルのころは、月に婚礼15件、一般宴会30件の担当は普通のことだった。かつ、責任者だったので、ほかの仕事も相当あり休む暇もなく、今で言うならばブラック企業とでも言われるだろうが、今でも私自身ブラック企業だなんて思ってないし、それが当たり前で、そのような状況にプロ意識が芽生え、そしてプロ意識がくすぐられ、むしろ充実していて楽しかった。

プロとして仕事をするには、膨大な知識が必要であり、今どきのググれば(Googleで調べる)何でもソリューションできる時代で、分からないときはググればいいので、時間や費用をかけて知識の蓄積を行う必要などないと思う方は、プロとして給料はもらえないし、ましてやフリーランスなどあきらめたほうが失敗しなくて済むだろう。私たちの時代に仮にググれたとしてもそんな時間すらない。本当のプロというのはそういうものだ。例えば、医者が手術中にわからないからといってググることなどありえないのと同じことである。トレンドワードにもなっているが「私、失敗しないので」といえるだけのプロ意識が欲しいものだ。

いづれにしても、このようなグレードの資格が取得できるのが本資格検定であり、テキストで事前に勉強し、どうしても自分一人では理解できないのであれば、そのスクールもあるので、IWPA国際ウエディングプランナー協会にお問い合わせいただければ状況を判断し、最も適したご提案をさせていただきます。

WEB試験の詳細については、https://www.wedding-net.org/を参照されたい。

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