連載原稿80 価格競争なしで勝てるスタッフづくり

かつて「不況に強い」とされた居酒屋がなぜここまで凋落してしまったのか。今や居酒屋業界に限った事ではないが、ある大手は2015年3月までに102店舗を閉店するという。

 

日本フードサービス協会の調べでは、居酒屋の客数は前年割れが続いていた。その事態を打開すべく2009年に「生ビールの100円値下げ」を打ち出し、価格競争が勃発したが、価格競争は何を意味するのだろうか。

 

答えは、人件費の削減である。料理・飲物業界の人なら誰でも理解出来るが、飲物で原価の高いビールの販売価格を1杯100円も下げたのでは、利益が一気に減少するのは当たり前だ。

 

その純利益の減少により影響が人件費にきて、企業が一気にブラック化するのだ。10年前のこの企業はまさにいけいけだったが、2008年には、この企業の社員の「過労自殺」を機にブラック企業の代名詞になった。

 

さらに、2011年の東日本大震災から、世代特性が消費行動に大きく影響し、コンビニでおつまみとアルコールを買って飲み会をする「家飲み」と、外で飲む回数を減らし時々贅沢しようという層に2極化し、結局居酒屋はそのはざまに存在し、一気に業績が悪化した。

 

企業は、売上が下がると経費を削減せざるを得なく、その削減部分が人件費に集中するため、サービス低下を引き起こし客数が減少してしまう。

結果、売上が伸び悩み、負のスパラルに巻き込まれ倒産に追い込まれる。日本は70%がサービス業であり、そのサービス業の基本が人的サービスにある以上は、このスキームは普遍的である。

 

本来、必需品は、高くても購買力があるためメーカーは価格を下げない。メーカー自体が利益を出し、その利益を開発に投入し、ヴァリューの高いものを開発するから好循環となる。メーカーは、価格戦争に巻き込まれてはならない存在だが、家電メーカーなどは量販店の進出により、価格戦争となり負のスパイラルに巻き込まれているようだ。

 

この状況は、ブライダル業界においても同様であり、現在100万円割引は、当たり前のように広告されているが、300万円の商品がなぜ100万円割引出来るのか。

確かに、ブライダルビジネスは、オールorナッシングのビジネスであってはいけないと思うが、300万円の商品を100万円割引で200万円の初期見積で販売しても、出来上がりはちゃんと400万円の商品になるとはいえ、この構造自体ありえないことであり、常識的かどうかと尋ねられたら、常識ですとは答えられない。

 

では、この現状をどうすれば良いかと言えば、ビジネススキームを常識的かつ効率的なものに戻すことだと思う。これからのさとり世代をこの常識的なスキームに誘導することは、相当な力仕事だと思うが、決して不可能なことではない。

 

弊社の行っているスクールに先日修学した29歳の女性は、未経験でありながら、現役プランナーでも30%は不合格になるペーパー試験になんと2週間という短期間でクリアした。

 

その2週間のうち、30時間は当スクールで学習したが、その間1000問試験などを経て合格したが、仕事をしながらなので、殆どまともに睡眠をとった記憶がないほど勉強したそうだ。

 

ゆとり世代ではあったが、パッションとモチベーションは素晴らしく高く、この世代でもこういう人はたくさんいる。このような人材を育て、効率を高めれば、現状の1.5倍の仕事効率を目指すことは容易だと思う。

 

かつて、バブル崩壊以降、有名大手ホテルチェーンが販売したブライダルのプランの価格戦争に巻き込まれ豊作貧乏的な商品販売で、どん底まで落ちたホテルもあったが、そうなる前に、人材育成で有能なプロの育成を行い、仕事効率を上げ、スタッフの社員の数を減らし、価格戦争をしなくても勝てるスタッフづくりを目指したい。

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