連載記事27 プロとして、真っ当なビジネスを

受注件数が減少すると売上が減少し、特に婚礼特化型会場では死活問題となる。そのため、増収増益を図るべく、単価を上げたり、取引企業の手数料率を上げたりするが、そんな小手先の対応で、将来はどうするのかといつも疑問に思う。そこにはもっと抜本的な解決策が必要だろう。

会場群の中には、販売手数料が50%を超えるところも出てきているが、どんな商品にせよ、販売手数料が50%を超える商品の原価はいくらなのか、甘んじてそのような販売手数料を支払う企業の商品クォリティはどうなのかという疑問が生じるのは当然であろう。色々な取引企業の方の話を聞いていると、会場と業者の関係が「いじめ」の構造に似ており、いじめる方の責任は勿論大きいが、いじめられる側にも責任があり、両者が真剣にこの問題と戦っていかなければ、いつか顧客の信頼を失い、ブライダル業界に未来は無いであろう。

先日、ある業界の方とお話をしていて、以前にも話題にしたことがあるが、プロと素人の境目はどこにあるか、改めて考えさせられた。

例えば、プロのカメラマンは、何をもってプロといえるのだろう。最近のカメラは性能が飛躍的に進歩し、これまでプロの撮影技術が無ければできなかったような仕上がりを、素人の使うカメラでも自動で実現できるようになってきている。スナップ写真一つにしても、以前のアナログ時代のプロは、36枚撮りフィルムを3~4本、つまり150カット前後しか撮らない中でベストショットを撮っていたが、デジタル時代になって、500~600カットを撮るのは普通で、中には1000カットも撮ることをPRして販売しているところもある。しかし、1000カットも撮れば、カメラ機能が高性能になっている現在、少し勉強すれば、素人が撮っても良いショットは撮れるだろうと思う。

さらに、プロの手法は高い技術力をもってこそのもので、例えば構図などに縛られてしまうプロは、より高い技術がなければ、自由奔放な素人発想の楽しい表現力に勝てないという現実もあるようだ。つまり、完全に素人には真似のできない技術を身につけない限り、素人と同等、時には素人以下にしかならないということなのである。

このことは、写真に限った事ではなく、現代において、プロとしての職業が存在するステージにはおおよそ該当するように思う。

ところが、会場の中には、プロとしての技術向上よりも、原価を下げることや、顧客に対する商品の販売力を高めることの方がビジネスにとって重要であると考えるところもある。また、今やプランナーは、各パートナーの打合せのアポを調整するだけのコーディネーターになってしまい、どの顧客にどのような商品を販売するのが適正か、といったことに関心を持たないような状況も見られる。

こうした中で、各パートナー企業は、顧客の予算や披露宴の主旨などを無視して、単価アップすることを会場に強いられている一面もあり、結果、新郎新婦は一通り打合せが終わると、披露宴に対する本来の思いとは全く関係なく予算だけが大きく膨らみ、不満材料がどんどん増幅していくのである。

本来のウェディングプランナーとは、総合的な知識を持ち、具体的な打合せは、その道のプロに委ねつつも全体的に新郎新婦の意向を確認しながらその意向を具現化するプロでなければならない。
そして、パートナー企業は、そのプランナーの描いたシナリオを最大限の効果をもって実現するための技術を提供する、本当の「パートナー」でなければならない。
そのような本来のウエディングの形を実現し、顧客は真に価値のあるものにお金を払うという至極真っ当なビジネスを行っていけるところこそが、この難しい時代を生き残っていけるのではあるまいか。

関連記事

著作権・リンクについて

当サイトの記事、写真等の著作権は、当サイトもしくは、記事、写真等を提供頂いたかたに帰属しており、無断転載は禁止致します。画像や文章を許可なく転載された場合は、情報提供元より使用料を請求されることがあります。また、場合によっては、法的措置が取られる場合もございますので、無断転載は厳にお慎みくださいますようお願い致します。

当サイト記載の記事を引用される際には、正しく引用タグ(<q>タグまたは<blockquote>タグ)をご使用ください。また、必ず引用元を明記くださいますようお願い致します。

当サイトへのリンクは、原則として自由ですが、当サイトへのリンクであることを明記くださいますようお願い致します。但し、リンクが不適切と弊社が判断する場合は、お断りさせていただく場合もございますので予めご了承ください。

ビットマップへの問合せ
IWPA国際ウエディングプランナー協会
テキスト
結婚式総合保険
アイウィッシュ
ユアスタイルウエディング

社長ブログ母の思い出

  1. 母の思い出

    2015-2-23

    母の面影1

    はやいもので、母が亡くなってから2か月が過ぎた。 母は、北海道に180平米以上もある家に一人暮…
  2. 母の思い出

    2015-2-14

    母の49日

    病床に就いていた母が、昨年12月14日に亡くなった。 私にとっては、91歳の母を頼りにしていた…
  3. 母の思い出

    2014-10-28

    綿のように軽かった母

    3ヶ月ぶりの秋の北海道の3日間の滞在は、最高の天候に恵まれた。特に最終日の穏やかさは、天変地異の前触…
  4. 母の思い出

    2014-7-26

    別れ

    来る時が来るかも知れない。そんな恐怖に襲われたのは、つい2日前のことであった。 兄貴から連絡があり…
ページ上部へ戻る