連載記事14 世代を反映した教育の在り方

約30年前、私がホテルマンとして駆け出しの頃、随分と先輩から鍛えられた。鍛えられたと言うと聞こえはよいが、内容は殆どいじめに近かったような気がする。しかし、そんな中にも、先輩たちの愛情のようなものを感じていたのも確かである。だからこそ、継続して同じ職場で働くことが出来たのだと思うし、厳しくても仕事が楽しかったので、耐えることが将来の自分を大きくするのだと自分に言い聞かせ、乗り越えることができたのだと思う。

ホテルマンも日本伝統の職人の世界であり、「どうしてそうなっているの?」という質問に、「昔からそうなんだ!」というのが定番の答えで、「理屈じゃないんだよ!」で通るものだった。サービス業界でも、それが当たり前だった。

しかし、毎日怒られ、なじられ、小突かれても、飲みに行くときは、先輩とて給料が安いにも関わらずおごりで、職場とは違う一面を見せる先輩たちに、人間的魅力のようなものを感じていたことを思い出す。過去の時代には、上司と部下の信頼関係は、このような関係の中で育まれていったように思う。

現代はどうだろう。私が若い頃は、部下が上司に向かって反論することはありえなかった。しかし、時代は代わり、若者世代の人間像も変化し、当然、教育方法も時代につれて変化していかねばならない。少なくとも、部下も自分の頭で考え、自分の意見を上司に言える環境は大切だと思うし、そうした会社の風土も大変重要であろう。

現代の人たちは世代によってその違いが大きい。つまり、育ってきた社会環境の影響を大きく受けているということである。

例えば、40歳前後の世代は、競争・比較世代と言われた団塊世代ジュニアである。親が終身雇用の時代に育てられため、その性質を受け継いで真面目な気質を持つが、ベビーブームの中で生まれ、競争社会を生きてきたにもかかわらず社会に出る時にバブルが崩壊したため、報われないことに弱く、他人の事が気になる世代である。

その下に28歳から38歳の受身受入世代ともいうべき、バブル崩壊時に思春期を迎えた世代がある。この世代は、父親がリストラされた時に思春期を迎え、社会は厳しく、経済的にも苦しい状態を強いられたため、お金を使わず、非社交的であるが、自分らしく身の丈思考が強く、思いやりもある世代像を持っている。

更にその下には、23歳から28歳の非競争・非比較世代とも言うべき、ゆとり教育世代がある。彼らは、経済低迷・デフレ時代の中で、情報は氾濫しており、選択肢が多く、結果的に独自の価値観に満足し、わが道をゆく世代である。

このような世代像は、顧客の特性であると同時に、プランナーの特性でもある。現在は、ウェディングプランナーは全体的に低年齢化しているといえるが、特にあるカテゴリーの会場では、プランナーがゆとり教育世代のみで構成されているところが多い。

ゆとり教育世代は、ITリテラシーが高い。その結果、WEBで調べれば何でも分かる現状から、「答えは、自分で考えるものではなく、探すもの、もしくは選ぶもの」という認識を持っている。
「成長したい」という気持ちも非常に強いが、一方では、マニュアルや答えをすぐに求める、言われたことしかやらない、自分の成長に直結しないと思うことはやらないなどの一面を持っている。短期的に自分の利益にならないことは「無駄」と判断したり、「自分の好きなこと」をやりたいという願望も強い。

この特性をよく理解し、この世代に適した教育をすることで、有用な人材を育て、定着させ、組織的に戦力化をしていけるか、ということが今後のブライダルの課題の一つとなるであろう。プランナーの誰もが婚礼は良く分からないという状況に陥る前にその対策を講じなければならない。

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