連載記事2016年4-1 無婚(なしこん)のわけ

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無婚40%の時代背景と無婚低減の方法とは 

無婚はどこから来たのか

無婚という言葉は、つい最近聞いたような言葉のような気がするが、現在のような婚礼全体の比率を占めるようになってから、もう十年以上経っている。

2005年の公の調査で、71.4万組の婚姻数のところ調査では、わずか約35万組の挙式披露宴の実施件数であったことで、当時、無婚は50%と言われていたが、全国約3500会場のうち一部の会場が未回答だったことを推定加味すると、実質40%のカップルが結婚式披露宴を行わない、いわゆる無婚といえる。

では、この無婚といえる状況を引き起こした原因は、どこにあるのだろ。

なぜ無婚などという事態になったか?

無婚がここまで増加した原因は、経済的な理由や社会環境の変化など様々な理由がある。

その大きな原因の一つにデフレ経済の長期化があり、その根本がバブル経済の崩壊であろう。このバブル経済の崩壊は、日本全体に甚大な影響を及ぼしたが、ブライダル業界にも長期的、本質的に多大なる影響を及ぼした。

具体的には、デフレ経済の長期化により経済は低迷し、同時にサラリーマンの給与の低迷が一般化した。その結果、生活は困窮し経済的に結婚式の費用が捻出できなくなった。いまだに婚礼費用に関する親の援助は大きく、その一方では婚礼費用が上昇している。親の援助は、金額的に以前ほど多額ではなくなり、それもバブル崩壊以降の会社倒産などによる、親の貯蓄の減少という現実もある。

一方では、結婚前の出産が目立ち、子育てを考えると結婚式の費用捻出が難しくなってしまうということも無婚の大きな理由といえよう。

また、ブライダル業界の無法地帯化により、消費者契約法に抵触するような新規獲得や打合せの手法がブライダル業界への不信感を招き、結果的に無婚に誘導してしまうこともその一因となっている。

ブライダル業界全体で考えた時に、バブル崩壊の影響は、終身雇用の終焉・年功序列の廃止といった会社の仕組みが大きく変化したことによるブライダル業界への影響は大きい。銀行の倒産があったり、一部上場企業を含む企業が倒産したりする中で、会社の再起をかけた人材登用が、社会全体に下剋上的状態を引き起こした結果、媒酌人の本来の必要性が失われ、現状、媒酌人を依頼する両家は、全国でも1%しか存在しないという現実を招いた。

その影響は、たった2名の媒酌人夫妻が減っただけだと考えるには、あまりにも大きな損失であり、年間40万組の披露宴の売上金額に換算すると約800億円という損失になる。

 

ビジネスは金儲け、それは真だと思うが、結婚式に携わる人たちの使命には、金儲け以外に必要なものも多いと思う。なぜなら、結婚式は、一生に一度の最大かつ大切な通過儀礼であり、伝承し続けなければならない文化だからだ。

しかし、新郎新婦の満足が重要と主張している企業やそのトップは多いが、実際やっていることは金儲けに徹している企業も多い。

現代は、消費者を欺く手口は巧妙で、結婚式の本質を理解していない消費者は、容易に騙され、中には騙されていることに気づくこともないという事例もたくさんある。だからこそ、それを、今、改善しなければならないのではないか。

日本企業のプライドはなくなってしまったか?

日本は、老舗といわれる会社が、世界的に見てもダントツに多い国だが、毎年新会社が8万件以上も設立され、そのうち10年以上継続している企業はわずか6%に過ぎない。

少なくとも、続いている会社の多くは、ぶれないポリシーとたゆまぬ努力の上に構築された実績がある。特に、上場企業は、モラルもあり信頼できる会社が上場しているという認識が強いと思われるが、周りの上場企業を見渡しても、一部でその神話は崩壊しているような気がする。前述した通り、上場企業でも消費者契約法抵触ぎりぎりで営業しているところも一部で見うけられる。その会社を信用して良いかどうかの判断は、あくまで消費者に委ねられが、その企業のトップが行っている事業、過去に行ってきたことがどこまでプロの領域で行っているか、若しくは、正統な実績を有しているかが判断基準となるだろう。ブライダルは、消費者にとって良くないことが、この口コミ重視のwebの世界にあっても、広がりにくいという特性を持っていることが仇となってしまっている。

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