連載記事2016年1-3

連載記事

プロフェッショナルとは

サービス業という職種をどう理解しているのか、ウエディング業界だけの現象ではないが、きちんと教育されていない人、経験不足の人たちが、その会場もしくは部署のトップとなり、素人集団を形成していく。当然素人では、顧客満足の実現は難しく、その結果、コンプレインが増えたり、挙式・披露宴に失望したりするカップルも増え続け、結果無婚へ向かってしまう。プロフェッショナルとは、おびただしい知識をストックすることで、その組み合わせにおいて無限のソリューションを可能にすることが出来る存在だが、現状のように、分からないことはググればいい(ググるとは、Googleで調べること)と思っている若者が多いが、分からないことの単発の答えは、ググることで解決できても、複雑な問題のソリューションは解決出来ない。これが、現代のフロー型の若者たちの特徴だ。

Webの進化と拡大により、情報は常に溢れている。スマホを手に取り、分からないことがあれば、そのままググれば、Googleはどんなことでも教えてくれる。今は、音声認識の精度もあがり、スマホと会話すら出来る。スマホに向かって言葉で疑問を投げかければ、すぐに答えを教えてくれる。だから、今の若者は、知識が無くてもその場で何でも分かるので、知識のストックが必要ないと思っている。

昔話にアリとキリギリスの話があるが、この話で、現代人の行動パターンを説明することが出る。アリは働き者で、食べ物を夏の間にストックしているため、冬になっても食べ物に困らない。しかし、キリギリスは夏の間遊びほけて、食物のストックをしていなかったので冬になるとひもじい思いをしたという話だ。この、話の「食べ物」を「情報」に置き換えると、まさに現代の若者の形容をし易い。つまり、現代は情報がいつでも誰でも苦労なく自由に収集できるから、知識は、努力して時間をかけてストックする必要がないと感じているのだ。つまり、知識が無くてもあまり困ることがないと思っていることが、プロフェッショナルの存在の必要性を否定する結果となっているようだ。

結婚式とは、伝統と文化であり、後世に伝承していくものである。換言すれば、挙式・披露宴のノウハウの伝承である。今の若者が無駄を嫌うと言うが、ノウハウを熟知しないことにより、逆に無駄が非常に多くなることも事実であることは理解できない。私は、古いことわざに今もなお感心するばかりだが、このことわざも人生のある種ノウハウで、先人たちが幾年も重ねて悟った事実であり、現代の「さとり世代」と言われるその「さとり」とは、くらべものにならない崇高なものである。

温故知新という言葉があるが、この現代の世の中だからこそ古きを知ることも大切なことだと思う。

 

プロフェッショナルの必要性

皆さんは、webの世界をどう理解されているだろうか?私自身webは、個人的にも、会社のビジネス上でも大いに利用しているし欠かせない存在であることは間違いない。しかし、一方では、無責任でいい加減、例えそれが事実に反していたとしても、責任を取る必要もなければ、何を言っても、言った者勝ち的な性質があることも事実である。今はSNSの代表格のFace Bookは、馬鹿製造機などと揶揄する人もいる。先日ある会場のウエディングプランナーのブログを見ていたら、欧米には非常に便利なものがあると紹介していた。それは、「エスコートカード」なるものだ。それは、日本で言う「もぎり札」のことで、日本には当たり前のように随分前から存在しているが、知識不足のプランナーには、そういう認識はないのである。厳密に言うと、会場数が急激に増え始めた1997年頃から利益追求のみを目的とした会場により、顧客の利便性より企業の利益を最優先することで、伝承された先人たちのノウハウが失われた。会場の事業形態や目的によりウエディングの知識は、企業都合に偏るところも多く、このようなことは実にたくさん存在する。こうしたことがウエディングに対する魅力の喪失につながっていることも事実だ。プロの領域、プロが作り出した伝統と文化には、その一つ一つに、本質に基づく正鵠を射た確固たる理由や意味がある。現状のウエディング業界に必要なのは、こうしたプロの知識を持った人材を育てることに注力することだと思う。

 

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